トルコ旅行・ツアーブログ|トルコツアー旅行記
ゼルベの谷(カッパドキア)|忘れられた洞窟の谷で時を旅する

トルコ・カッパドキアの中心地、アヴァノスとギョレメの間にひっそりと広がるのが、ゼルベ渓谷(Zelve Vadesi)です。観光客で賑わうギョレメ野外博物館と比べて人が少なく、より静かで素朴な雰囲気が魅力のこの場所では、数千年にわたる人々の暮らしの跡がそのまま残されています。
奇岩群(妖精の煙突)、修道院跡、洞窟住宅が広がる景観は、まさに“時が止まった谷”。カッパドキアの隠れた名所として、写真家やハイカー、歴史ファンにとっては見逃せないスポットです。
目次
ゼルベの谷の場所・行き方
ゼルベの谷は、ギョレメから車で10分ほどの距離にあります。すぐ近くには、同じく「妖精の煙突」で有名なパシャバー地区があり、併せて観光するのがおすすめです。
カッパドキア|奇跡の絶景と歴史を旅するトルコの世界遺産
ゼルベの谷の歴史
ゼルベは、かつてカッパドキアでも人口の多い谷の一つでした。9世紀ごろから修道士たちの隠遁地として栄え、やがて地元住民の集落へと発展していきます。しかし、1950年代に入り岩盤の浸食と地滑りの危険性が高まったため、住民たちは近隣の「Yeni Zelve(新ゼルベ)」に移住し、谷は無人となりました。
現在では、ゼルベ野外博物館(Zelve Open Air Museum)として一般公開されており、かつての住居や宗教施設を見学することができます。
ゼルベの谷の見どころ
妖精の煙突が立ち並ぶ圧巻の光景
ゼルベの谷には、カッパドキアの風景を象徴する「妖精の煙突」と呼ばれる奇岩群が数多く存在します。これらは火山灰による堆積層が長い年月をかけて風雨で削られたもので、ゼルベでは二又・三又に分かれた特異な形状の岩柱を見ることができます。観光地化された他のカッパドキアの有名スポットとは異なり、ゼルベの景観はより原始的で、自然の造形そのものを堪能できます。
パシャバーで見たい妖精の煙突(きのこ岩)とは?カッパドキアの奇岩の伝説
洞窟住居とビザンチン時代の修道院跡
ゼルベの谷の最大の魅力は、今でもそのまま残る洞窟住居やビザンチン時代の貴重な洞窟教会を歩いて探検できる点です。洞窟内にはベッドスペースや収納スペース、宗教的な彫刻が残されており、当時の暮らしが生々しく伝わってきます。
ゼルヴェ野外博物館|美しい地形と貴重な歴史的遺産
雄大な谷をめぐるトレッキングコース
ゼルベの谷は、複数の谷が連なった構造をしており、それぞれがトンネルや道でつながっています。細い岩間を歩いたり、広大な景色を見下ろしたりと、バリエーションに富んだハイキングが楽しめます。
ギョレメと比べて観光客が少ないため、静かなハイキングに最適です。軽いアップダウンはありますが、初心者でも歩きやすく、カップルや家族連れ、一人旅にもおすすめです。