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トルコ料理

『ターキッシュデライト』魔法の御菓子?映画で有名なトルコ伝統名物ロクム


あの有名な映画『ナルニア国物語』の「ライオンと魔女編」でナルニアを支配する白い魔女が4人兄妹の次男エドマンドを誘惑する為に与え、エドマンドが夢中で美味しそうに食べるのが印象的な”白い粉がついた四角いお菓子”を御存じでしょうか?

あれは架空の食べ物で無く、実在する『ターキッシュデライト(Turkish delight)』というトルコのお菓子なのです!

では、ナルニア国物語にでてくるこの“ターキッシュデライト”とはどの様な御菓子なのか、ターキッシュデライトについてここで徹底解説致します!

ターキッシュデライトとは?

ターキッシュデライトのお店
日本で「ターキッシュデライト」の名で知られているこのお菓子は、トルコ語で“ロクム(Lokum)”と言い、トルコで6世紀にも渡って作られてきた世界で最古の御菓子の一つでもあり、現在最もポピュラーな伝統菓子の一つでもあります。

“ゆべし”の様な、“求肥”の様なもっちりとした食感の甘い一口大のお菓子で、実際ターキッシュデライトは、映画の中のエドマンドの様についつい夢中になって食べてしまう程、癖になる味でもあるのです。

因みに “彼は自分の分の夕食は食べたけど、ずっとターキッシュデライトのことを考えていて夕食を楽しんでなかった” と言うセリフがあるほど、エドマンドはターキッシュデライトの美味しさの虜だった様です。

『ナルニア国物語』風ターキッシュデライトの作り方

ターキッシュデライトの作り方
実は、ナルニア国物語のオフィシャルページに、映画に出てくるターキッシュデライトの作り方が載っているのは御存じでしたでしょうか。このナルニア風レシピを簡単に書き出してみます。

<材料(約700g分)>
  • ゼラチン:21グラム
  • 冷水:0.5カップ(100ml)
  • グラニュー糖:2.5カップ
  • 塩:ティースプーン1/4杯
  • レモン汁:スプーン3 杯
  • レモンエッセンス:ティースプーン1/2杯
  • 粉砂糖:約0.5カップ

<作り方>
  • ① 水にゼラチンを入れて柔らかくします。(この水は材料に含まれない)
  • ② 鍋で水を沸騰させグラニュー糖を加えてかき混ぜながら煮立たせ、弱火にした後、塩と柔らかくなったゼラチンを加えて完全に溶けるまでかき混ぜ、20分間煮ます。
  • ③ 火から下して10分間冷まし余熱をとり、レモン汁とレモンエッセンスを加えてかき混ぜます。
  • ④ 15㎝の正方形の型を水で軽く濡らし、水がたまらない程度に水を切ります。この型に③を入れて蓋かラップをし、涼しい場所で一晩寝かせます。
  • ⑤ 粉砂糖をお皿の上でふるいにかけます。熱湯で湿らせた包丁で型の内側をひと回り削いで型から中身を外します。そして、中身を均等に2~3㎝の正方形にカットします。
  • ⑥ カットしたものを粉砂糖にまぶして出来上がりです。

詳しい作り方は下記のオフィシャルページ(英語)をご覧ください。
※ナルニア国物語オフィシャル:https://www.narnia.com/narnia-recipes-turkish-delight/

トルコにゼラチンはありませんので、このレシピはナルニアオリジナルのレシピです。どちらかと言うと、ゼリービーンズの中身の様な硬いゼリーの様な食感になるのではないでしょうか。

因みに、本場トルコのターキッシュデライトの材料は、水、砂糖、コーンスターチ、粉砂糖、お好きなナッツやエッセンスとなります。

 
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オスマン帝国のスルタンも好んで食べたターキッシュデライトの歴史

オスマン帝国のターキッシュデライト
ターキッシュデライト=ロクムは、ある資料では、紀元前226~652年に権力を持っていたササーン朝ペルシアで食べられていた“abhisa”と言うお菓子が起源だと言われています。

アナトリアで15世紀頃から作られるようになり、特に17世紀にオスマン帝国領土が広がると共に現在の東欧やバルカン半島やギリシャなど領土内に広まりました。

ターキッシュデライトの転機は18世紀後半になります。黒海地方のカスタモヌからイスタンブールに上京し、1777年にバフチェカプ(現エミノニュの一角)に小さな砂糖菓子店を開きロクムを作って売っていた砂糖菓子屋の主人ハジュ・べキル”Şekerci Hacı Bekir Efendi(シェケルジ・ハジュ・べキル・エフェンディ”という砂糖菓子職人がいました。

ターキッシュデライトは彼の名と共に有名になり、その名声はオスマン帝国宮殿にまで及ぶことになったのです。

ターキッシュデライトは、16世紀まで小麦粉と蜂蜜またはペクメズ(濃縮ぶどうエキス)で作られた硬めの物でしたが、ハジュ・べキル・エフェンディはその頃帝国に入ってきていた精製糖を乳鉢で潰しながら溶かしたものと1811年にドイツ人化学者が発見したデンプン粉(コーンスターチ)を小麦粉の代りに使い、現在と同様の柔らかくて弾力性のあるターキッシュデライトを作り上げました。

シェケルジ・ハジュ・べキル・エフェンディ
因みに、硬いターキッシュデライトに飽きていた当時のオスマン帝国皇帝アブデュルハミド1世の希望により、ハジュ・べキル・エフェンディが柔らかいターキッシュデライトの製法を発明したともいわれています。

そしてハジュ・べキル・エフェンディは、皇帝マフムト2世よりオスマン帝国の第一等勲章と共に“Şekercibaşı(シェケルジバシュ) =飴作り職人の長”の称号を与えられました。宮殿で食べられるターキッシュデライトはハジュ・ベキルの製造場で作られ、届けられていました。

こうして現在の形となったターキッシュデライトは宮殿で食べられるようになり、また市民の間でも瞬く間に広まったのです。

因みに1844年にメフメト・キャミルが書いた『Melce’ül Tabahhin』と言うトルコ初の料理本とされている著書では、ロクムに関しても記載されています。

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ターキッシュデライトの名で世界に広がったロクム

ターキッシュデライト
このハジュ・べキル・エフェンディが作った“ロクム”をお店で手に入れたあるイギリス人旅行家が、ロクムを“ターキッシュデライト(トルコの悦び)”と呼んでイギリスにもたらしたことで、ヨーロッパでロクムが知られるようになったと言います。

因みに、面白いことにこの”ターキッシュデライト”と言う呼び方は本来の名ロクムに代わって世界で定着してしまい、現在英語圏や世界の多くの国では、ターキッシュデライトの名で、フランスやバルカン半島ではロクムの名で親しまれています。

その後ロクム=ターキッシュデライトを世界に紹介する為、ハジュ・べキル・エフェンディの息子メフメト・ムヒッディン・エフェンディはオスマン帝国より各国の国際見本市に派遣されました。1878年ウィーン万博での銀賞を始め、1888年ケルン国際展示会で銀賞、1893年シカゴ万博で初めて製造と販売、1897年ブリュッセル万博で金賞と大きな成功を収めたことにより、ターキッシュデライトは世界中で有名なトルコの御菓子となったのです。

また、ハジュ・べキル・エフェンディの孫のアリ・ムヒッディン・ベイは1906年にフランスのパリとニースで行われた国際見本市で金賞を受賞し、この成功により宮殿のシェケルバシュに任命されると共に、1911年エジプトの宮殿からもシェケルバシュに任命され、カイロとアレキサンドリアに支店が作られました。

 
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ロクムの語源

ターキッシュデライトの元の語であるトルコ語の“ロクム(Lokum)”は、口の中でとろけて滑って無くなっていく際に和らぎの様な感覚が生まれることから、オスマン語で“喉を和らげる”と言う意味の“Rahat-ül Hulkum(ラハトゥル フルクム)”から来ていると言われています。

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宝石の様に綺麗な色々な味のターキッシュデライト

色々な味のターキッシュデライト
味も見た目も華やかなバラ風味、レモン風味、ザクロ風味、ミント風味、オレンジ風味、シナモン味など果物や植物のエッセンス入りの物や、蜂蜜入り、ピスタチオ入り、ヘーゼルナッツ入りなど癖が無く香ばしい物など数えきれない種類があり、其々違った美味しさがあります。
ローズウォーターやレモンウォーターを使った色取り取りのロクムは、口の中で甘さと共に香りが広がります。芳香が苦手な方は、見た目は地味ですが、ノーマルやナッツ類が入った物をお勧めいたします。

トルコ各地の御当地ターキッシュデライト

ロクム
トルコの地方によっては、御当地ロクムとして確固たる地位を築いているロクムやロクム屋も有ります。

世界遺産の街サフランボルの名物 “サフランボル・ロクム”:サフランが使われ、真ん中にヘーゼルナッツが入り、外側はココナッツでコーティングされた普通のロクムよりも甘さが少なくより柔らかいライトなロクムです。

サフランボル市街(文化遺産・1994年) | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』

中央アナトリアのアフヨン名物 “アフヨン・ロクム”:普通のロクムとは全く違い、何と水牛のミルクから作られるカイマクと言うクリームの様な物を使ったロール状で外側がココナッツでコーティングされたロクムです。少しマシュマロの様な食感が特徴です。

北西アナトリアのオスマネリ名物 “アイヴァル・ロクム”:アイヴァは日本語でマルメロ又は西洋カリンのことで、ピューレ状になるまで煮込んだオスマネリ特産のマルメロを使ったロクムです。ロクムの中に果実が入っているように感じるほどマルメロの濃さが特徴のロクムです。

ヨーロッパの著名人とターキッシュデライト

ヨーロッパのとターキッシュデライト
ナルニア国物語で一躍有名になったターキッシュデライトは、なんと映画のお陰でイギリスでのロクムの売り上げが200%増えたとも。
余談ですが、ナルニア国物語に出てくるライオンの“アスラン”、実はトルコ語でアスランは”ライオン”を意味するのです。ナルニアはトルコととても縁のある作品だと思いませんか?

ナルニア国物語だけでなく、その他にもターキッシュデライトに関する著名人のエピソードが残っています。

『クリスマス・キャロル』を書いたビクトリア朝時代を代表するイギリス人小説家チャールズ・ディケンズは、著書『エドウィン・ドルードの謎』の中で主人公ローサをターキッシュデライトのお店に行かせています。

あの有名な画家ピカソは、絵を描き始める前に頭を働かせるために甘い物を食べていたと言い、ターキッシュデライトと出会ってからはインスピレーションの源として、集中力を高める為に毎日ターキッシュデライトを食べていたと言います。

フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトも、ターキッシュデライトを知ってからは宮殿に何箱も注文したと言われています。

ターキッシュデライトは特別な御菓子

ターキッシュデライト
トルコで最もポピュラーな伝統菓子と言えるターキッシュデライトですが、日常いつも食べる御菓子ではなく、バイラムや結婚の申し込みに行くときなどの特別な日の手土産やお客さんに振舞うお茶菓子として定番です。

甘い物が大好きでデザートを家庭で良く作るトルコ人ですが、このターキッシュデライトだけは家で作りません。職人の微妙な材料の配分や熟練した作り方が必要なお菓子ですので、美味しい物をお店から購入することが殆どです。

トルココーヒーのお供に

トルココーヒーのお供
トルコでコーヒーと言えば、トルココーヒー。この煮出されたとっても濃いトルココーヒーに必ずと言って良いほど添えられるお茶菓子がターキッシュデライトです。コーヒーの苦みにターキッシュデライトの程よい甘さがマッチして相性抜群。
この二つは切っても切れない定番の組み合わせです。

トルココーヒー(ターキッシュコーヒー)の歴史や作り方、飲み方、占いの方法 | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』

イスタンブールでターキッシュデライトを買うならここ!

アリ・ムヒッディン・ハジュ・ベキル(Ali Muhiddin Haci Bekir)

シェケルジ・ハジュ・べキル・エフェンディ
上記でも紹介したハジュ・ベキルが1777年に創業した元祖ターキッシュデライトの老舗中の老舗です。ターキッシュデライトとアキデ・シェケルと言うオスマン帝国時代に親しまれていた昔ながらの飴で有名なお店です。
創業者から3代目迄はオスマン帝国宮殿の”シェケルジバシュ=飴(砂糖菓子)作りの長”を務めていた家系で現在は6代目が経営し、245年間変わらない由緒正しい本格的なターキッシュデライトや砂糖菓子を販売しています。
箱売りのパッケージもノスタルジックなデザインで可愛く、小箱から大箱までサイズもあり、創業当時から続く小さなお店はエジプシャンバザールから歩いて約3分と近いので、観光の途中にお土産を買うのに最適です。(新市街イスティックラル通りにも支店有)
色々な種類があるので迷ったときは、一番人気のピスタチオ入りがおススメです。
住所 Hamidiye Cad. No:33 Eminönü /Fatih / İstanbul
※イスタンブール旧市街エミノニュとスィルケジの間の路地、エジプシャンバザールからイェニ・モスクの裏の道をスィルケジ方面へ徒歩約3分。
公式サイト https://www.hacibekir.com/Home/Index

エジプシャンバザール(Misir Carsisi)

エジプシャンバザール
山積みにされたカラフルなターキッシュデライトの数々は見ているだけでも楽しくなってきます。量り売りもされているので、味見しながら好きな物を好きなだけ購入してみて下さい。
住所 Rüstem Paşa, Erzak Ambarı S. No:92, 34116 Fatih/İstanbul
※トラムのエミノニュ駅目の前のイェニ・モスクの裏側。
公式サイト http://www.misircarsisi.org.tr/en/

如何でしたでしょうか。世界に広がったターキッシュデライトですが、トルコで本場の洗練された美味しいターキッシュデライトを皆さんも是非御賞味下さい!
トルコ旅行のお土産もターキッシュデライト・ロクムがおすすめです。スーパーマーケットや市場で、色々なお土産選びを楽しみましょう。

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