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コーラ教会に描かれた情景は奇異に思えるかもしれない。日本人にはなじみが薄いがほとんどは聖書外典からのお話をテーマにしている。


コーラ教会 (カーリエ博物)

 テオドシウスの城壁に近いこの小さな教会が世界でも屈指のモザイク画の宝庫だとは中に入ってみるまで信じられないかもしれない。ここのすばらしいモザイクのすべてについて語ることはここでは無理というもの。ツアーグループで訪れた時にゆっくりと鑑賞することもむずかしいかもしれない。小さな教会の中は混みあっていることが多いので見学というよりも押しくらまんじゅうでもしているような気がしてくる。 

コーラ教会
現在の建物は11世紀のものだが、413年にテオドシウスの城壁ができる前に、すでにこの場所には教会があったと思われる。なぜならコーラというのはギリシア語で郊外といなかを意味することばだから。 1453年、コンステンティノープルがトルコの手に陥ちた時も、モスクに変えられることなく教会として残ることを許されたいくつかの中に入っていた。16世紀初めについにモスクに変えられた時も、キリストと聖母マリアの生涯を描いたモザイクの画はしっくいで塗り固められずにすんだのだった。キリストもマリアもイスラム教でも尊ばれているのだから。メッカの方向を示すミヒラップの両側のモザイクだけがイスラム教徒の目から隠すように板を打ちつけられた。ひとつはイエスを胸に抱いた聖母マリア、もうひとつは福音書を手にしたキリストの姿である。この部屋の二つめのモザイクは聖母マリアの死を描いている。棺台に横たわったマリアのそばにキリストが座っている。キリストの腕に抱かれた赤子はマリアの魂を象徴している。ペテロ、ヨハネ、パウロなど聖人たちがまわりをとりまいている。

コーラ教会  
イタリアやギリシア、あるいはカッパドキアの岩窟教会などの似たようなフレスコ画やモザイクを見たことがない方にとってはここに描かれた情景は奇異に思えるかもしれない。日本人にはなじみが薄いがほとんどは聖書外典からのお話をテーマにしている。 
コーラのモザイク、フレスコ画は14世紀ビザンティン美術の最高傑作といわれ、すべて1320年代までに仕上げられていたことがわかっている。ストーリーと場面を完全に描ききっていることや美術としての質の高さ、人間性を感じさせるリアリズムなどは特に注目に値する。 
本堂の入口の上にみえるパネルは、ここのモザイクとフレスコ画を描かせた当時の帝国大蔵大臣、テオドル・メトキテスでコーラ教会の模型をキリストに捧げている図である。

コーラ教会
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