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ミマール・スィナンはオスマン帝国で最も偉大な建築家!代表作をご紹介
ミマール・スィナンは、オスマン帝国史上最高の建築家と称される偉大な人物です。スレイマニエ・モスクやセリミエ・モスク、ハセキ・ヒュッレム・スルタン・ハマムなど、トルコにある有名な観光名所の中には、彼が建築した建物が数多くあります。
トルコ専門の旅行会社・ターキッシュエア&トラベルが、ミマール・スィナンの生涯や功績、彼の代表的な建築物をご紹介します。トルコ旅行の際には、ぜひスィナンの偉大なる遺産を訪れてみてください。
ミマール・スィナンは、1490年にアナトリア中央部のカイセリ近郊の小さな町で、ギリシャ系またはアルメニア系のクリスチャンの家庭に生まれました。
なお、「ミマール」は名前ではなく、“建築家”を指すトルコ語。「ミマール・シナン」は「建築家シナン」という意味なのです。
シナンは石工の父親のもとで仕事を学んだあと、1511年にオスマン帝国のデヴシルメ制度(非イスラム教徒の徴兵制度)によって徴集され、イスタンブールに上京して教育を受けました。
第9代皇帝セリム1世の治世で、工兵として帝国エリート部隊イェニチェリに従軍。帝国各地の建造物を目にしながら、土木の実践経験を積みました。当時、進軍のための橋やガレー船などを手掛けて、軍に貢献したといわれています。瞬く間に頭角を現して昇進を重ねたスィナンは、次の皇帝スレイマン1世の時代に、49歳で帝国建築士のトップである造営局長官に就任しました。
続く第11代皇帝セリム2世、第12代皇帝ムラト3世の治世でも建築造営局長官として活躍し、1588年に100歳近くで亡くなるまで約50年にわたって数多くの宗教施設をはじめとする建物の建設に携わりました。
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シナンはモスクを中心としたイスラム教の複合施設(キュリイェ)をはじめ、霊廟建築や社会公共建築物なども得意とし、新しい技術を取り入れながら、オスマン建築の基礎を確立しました。
現在もシナンの建てた多くの建築物がトルコ国内のみならず中東やバルカン半島、東ヨーロッパに点在しており、その偉大な功績を今に伝えています。
また、シナンの死後は弟子たちがその設計思想を引き継ぎました。イスタンブール観光の目玉の一つであるブルーモスクも、彼の弟子である建築家メフメット・アーの作品です。トルコ以外では、インドのタージマハルの設計にシナンの弟子が関わっています。
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スレイマニエ・モスクは、スィナンが70歳の頃に建てたモスク。1985年にユネスコ世界遺産に登録された「イスタンブール歴史地区」の一角に建っています。スレイマニエ・モスクは、過度な装飾がなく洗練された堂々たる風貌が魅力ですが、これはスィナンが自身の建築に絶対の自信を持っていたためだといわれています。
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セリミエ・モスクは、スィナンが86歳の時に完成させた、トルコの古都エディルネにある大モスクです。彼の建築家としての集大成であり、最高傑作として知られています。2011年には、ユネスコ世界遺産に登録されました。イスタンブールにあるアヤソフィアを上回る大ドームを作り上げるなど、スィナンの芸術性が極まった作品です。
セリミエ・モスク(文化遺産・2011年)
ミフリマー・スルタン・モスクは、イスタンブールのアジア側・ユスキュダルにあるモスク。シェフザーデ・モスクと同年に完成しました。スレイマン1世とその妻ヒュッレムの長女であるミフリマー・スルタンのために、ミマール・スィナンが建築したモスクです。
スィナンはミフリマーに恋心を抱いていたといわれており、このモスクはドレスを着たミフリマーの姿をイメージして設計されているそうです。
スルタンとは?イスラム教国の支配者の称号やオスマン帝国の代表的な皇帝
ハセキ・ヒュッレム・スルタン・ハマムは、1556年にヒュッレム・スルタンがミマール・スィナンに造らせた、イスタンブールにあるハマムです。
ハマムとは、トルコの伝統的な公衆浴場のこと。現在では、トルコならではの文化体験ができることから観光客に人気のアクティビティとなっており、このハセキ・ヒュッレム・スルタン・ハマムも有名なスポットの一つです。内部は宮殿のような高級感溢れるデザインになっており、優雅な気分で旅の疲れをリフレッシュできます。
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トルコ専門の旅行会社・ターキッシュエア&トラベルが、ミマール・スィナンの生涯や功績、彼の代表的な建築物をご紹介します。トルコ旅行の際には、ぜひスィナンの偉大なる遺産を訪れてみてください。
目次
ミマール・スィナンの生涯と偉大な功績

ミマール・スィナンは、1490年にアナトリア中央部のカイセリ近郊の小さな町で、ギリシャ系またはアルメニア系のクリスチャンの家庭に生まれました。
なお、「ミマール」は名前ではなく、“建築家”を指すトルコ語。「ミマール・シナン」は「建築家シナン」という意味なのです。
シナンは石工の父親のもとで仕事を学んだあと、1511年にオスマン帝国のデヴシルメ制度(非イスラム教徒の徴兵制度)によって徴集され、イスタンブールに上京して教育を受けました。
第9代皇帝セリム1世の治世で、工兵として帝国エリート部隊イェニチェリに従軍。帝国各地の建造物を目にしながら、土木の実践経験を積みました。当時、進軍のための橋やガレー船などを手掛けて、軍に貢献したといわれています。瞬く間に頭角を現して昇進を重ねたスィナンは、次の皇帝スレイマン1世の時代に、49歳で帝国建築士のトップである造営局長官に就任しました。
続く第11代皇帝セリム2世、第12代皇帝ムラト3世の治世でも建築造営局長官として活躍し、1588年に100歳近くで亡くなるまで約50年にわたって数多くの宗教施設をはじめとする建物の建設に携わりました。
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ミマール・スィナンが手掛けた建築物
ミマール・スィナンは、その生涯の中で、少なくとも以下のような建築物を合計で375も手掛けたといわれています。- モスク:93か所
- メスジット(礼拝施設):52か所
- マドラサ(イスラム学校):55か所
- ダリュクッラ(クルアーン学校):7か所
- トゥルベ(霊廟):20か所
- イマレット(公共の厨房):17か所
- ダリュッシファ(医療機関):3か所
- 水道橋:6か所
- 橋:11か所
- 隊商宿:20か所
- 宮殿:36か所
- 地下礼拝堂:8か所
- ハマム:48か所
シナンはモスクを中心としたイスラム教の複合施設(キュリイェ)をはじめ、霊廟建築や社会公共建築物なども得意とし、新しい技術を取り入れながら、オスマン建築の基礎を確立しました。
現在もシナンの建てた多くの建築物がトルコ国内のみならず中東やバルカン半島、東ヨーロッパに点在しており、その偉大な功績を今に伝えています。
また、シナンの死後は弟子たちがその設計思想を引き継ぎました。イスタンブール観光の目玉の一つであるブルーモスクも、彼の弟子である建築家メフメット・アーの作品です。トルコ以外では、インドのタージマハルの設計にシナンの弟子が関わっています。
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ミマール・スィナンの3つの傑作
ミマール・シナンは、自身の建築家人生を「見習い時代」・「職人時代」・「親方時代」の3つに分け、それぞれの時代で自ら傑作を選定しました。うち2つはユネスコ世界遺産に登録されています。見習い時代の傑作:シェフザーデ・モスク
イスタンブールにあるシェフザーデ・モスクは、ミマール・スィナンが50代のときに手掛けた作品。夭逝したスレイマン1世の皇子のために建てた最初の大モスクです。職人時代の傑作:スレイマニエ・モスク
スレイマニエ・モスクは、スィナンが70歳の頃に建てたモスク。1985年にユネスコ世界遺産に登録された「イスタンブール歴史地区」の一角に建っています。スレイマニエ・モスクは、過度な装飾がなく洗練された堂々たる風貌が魅力ですが、これはスィナンが自身の建築に絶対の自信を持っていたためだといわれています。
スレイマニエ・モスク(スレイマニエ ジャーミィ)はイスタンブールの人気観光名所
親方時代の傑作:セリミエ・モスク
セリミエ・モスクは、スィナンが86歳の時に完成させた、トルコの古都エディルネにある大モスクです。彼の建築家としての集大成であり、最高傑作として知られています。2011年には、ユネスコ世界遺産に登録されました。イスタンブールにあるアヤソフィアを上回る大ドームを作り上げるなど、スィナンの芸術性が極まった作品です。
セリミエ・モスク(文化遺産・2011年)
他にも多数!トルコにあるミマール・スィナン建築のおすすめ観光名所
ミフリマー・スルタン・モスク
ミフリマー・スルタン・モスクは、イスタンブールのアジア側・ユスキュダルにあるモスク。シェフザーデ・モスクと同年に完成しました。スレイマン1世とその妻ヒュッレムの長女であるミフリマー・スルタンのために、ミマール・スィナンが建築したモスクです。
スィナンはミフリマーに恋心を抱いていたといわれており、このモスクはドレスを着たミフリマーの姿をイメージして設計されているそうです。
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ハセキ・ヒュッレム・スルタン・ハマム
ハセキ・ヒュッレム・スルタン・ハマムは、1556年にヒュッレム・スルタンがミマール・スィナンに造らせた、イスタンブールにあるハマムです。
ハマムとは、トルコの伝統的な公衆浴場のこと。現在では、トルコならではの文化体験ができることから観光客に人気のアクティビティとなっており、このハセキ・ヒュッレム・スルタン・ハマムも有名なスポットの一つです。内部は宮殿のような高級感溢れるデザインになっており、優雅な気分で旅の疲れをリフレッシュできます。
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