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ギョベクリテペ遺跡 ・ギョベクリ・テペ(文化遺産:2018年)
世界最古の歴史を覆したギョベクリテペ!トルコ観光に欠かせない世界遺産の魅力とは?
世界最古の遺跡と噂されていた「ギョベクリテペ遺跡」は、2018年に世界遺産に登録され、トルコ全域で歓喜の声が上がりました。そんな「ギョベクリテペ遺跡」には、どのような魅力があるのでしょうか。世界最古の「ギョベクリテペ遺跡」の魅力について、詳しい内容を紹介していくので、参考にしてみてください。
ギョベクリテペは、トルコ南東部にあるシャンルウルファの丘の上に位置しています。1960年代には、アメリカのシカゴ大学チームとトルコチームで発掘調査を始めていました。しかし、その場所は長い間耕作地として使われていたため、耕作に邪魔な石などは運び出されたり、破壊されたりして、遺跡としての姿はありませんでした。
その後、ドイツの考古学チームが発掘を続けている最中、ある農夫が畑を耕しているときに、大きな石が見つかりました。除去するために石を掘っていくと、石柱であることがわかったため、本格的な発掘調査に入ったのです。掘り続けると、巨大なT字型の石柱が見つかりました。また、付近に大規模な遺跡群があることも判明しました。
ギョベクリテペ遺跡は、放射性炭素年代測定による調査の結果、地球上で最古の高度な文明であるといわれていたメソポタミア文明よりも、7,000年も古い文明の遺跡であることが判明しました。
一番古いものは今から1万2,000年前に建造されたものとして認められています。エジプトのピラミッドでさえも7,000年前の建造物であることから、かなり昔に建造されたものであることがわかるでしょう。
その後、埋められたり、新しい建物が作られたりを繰り返し、最終的には紀元前8,000年頃には埋められたままで放棄されていたことがわかりました。
石柱や石壁には動物のレリーフが多く刻まれています。これは狩りの成功を祈ったものと考えられます。このことから、今はこの地は荒地ですが、当時は動物も多く生存する緑豊かな土地であったとも考えられます。また、様式化された腕や手、腰布といったモチーフの彫刻も見つかっているようです。
ギョベクリテペは神殿遺跡の説が強いですが、これだけの神殿を作るには長い歳月がかかります。多種多様なモチーフが刻まれた石柱はひとつで10トン以上もあるのです。石を切り出して運んだり、繊細な彫刻を施したりするには、多大な人手が必要な事が予測されます。
そのため、普通は周りに、この神殿に携わった人々が生活する住居などがあるはずですが、まだここには住居跡が見つかっていません。農耕が始まる前、文明が始まる前に、すでに宗教が存在していた!?これまでの定説を覆しています。
頭蓋崇拝はよくあることですが、この時代から頭蓋崇拝があったという考えは初めてです。また、他にも人の形をしたと思われる石像がいくつも発見されています。頭部や口が無いものがあり、生贄信仰があったものではないかといわれています。
ギョベクリテペ遺跡で謎とされているのが、本来神殿を建造したのであれば、移住することを考えて、周辺に村が建設されているはず、という点です。
しかし、ギョベクリテペ遺跡の場合は、近くに村落が発見されておらず、謎が残されています。すぐに他の場所に移住したにしても、大規模な建造物に村落がないのは不思議です。少なくとも、建造物が完成するまでの間は、生活していた痕跡がなくてはおかしいでしょう。
研究の中には、紀元前8,000年前には「ギョベクリテペ遺跡」は放棄されており、建造されて2,000年ほどで野晒しになったことから、周辺には人が住んでいる気配が残っていないのではないか、という説もあります。
また、遺跡からは、ガゼルや鹿、オーロックス(既に絶滅している牛の一種)などの動物の骨や、初期のビールが入っていたと思われる石の容器なども発掘されました。周辺の狩猟採集民が宗教施設としてのギョベクリテペ遺跡に食料を持って集まり、定期的に情報交換をしていたのではないか、とみられています。
しかし、ギョベクリテペは、人々が最初の農場を作る500年前に建てられています。つまり、農耕に先立って、宗教や儀式という概念を人間が有していた可能性を示しているのです。この地でドイツの考古学チームを率いた故クラウス・シュミット氏は、神殿を建てるために多くの労働力が必要になり、その働き手の食料を確保する手段として、農業を始めるに至ったと主張していました。
ギョベクリテペ遺跡は、「人間の文明がどのように始まったか」ということについて、これまでの常識を覆す歴史的意義を持っているのです。
ギョベクリテペ遺跡からは、日本でいう土偶のような、人をモチーフにした石像が発見されています。その中には、頭部や口が意図的に作られていない石像が見つかっているようです。これは人身御供の代替品として製造されたのではないと言われています。
また、ギョベクリテペ遺跡から出土した石像の手の彫刻については、モアイなどの石像と共通する部分が発見されているのです。そのため、何らかの関係性があるのではないかと噂されていますが、未だに謎が多いとされています。
いずれにせよ、まだ発掘は全体の5%ほどしか進んでいないため、色々な解釈がされています。建築され、埋められ、また他の場所に建築され、これらは一体何を意味しているのか、なぜ住居跡が無いのか、誰が作ったのかなど、憶測が飛び交っています。これからさらに発掘・研究が進み、真相がわかってくる、大変興味深い遺跡となること間違いないかと思います。
2018年にトルコの18件目の世界遺産として登録されて以降、ギョベクリテペは世界中の観光客が集まる人気の名所となっています。あの有名な『ナショナルジオグラフィック』による2020年版「ベストトリップ」リストの文化部門にて、25の必見の観光先のひとつとして選出されたほどです。今後ますます人気が高まるでしょう。
世界遺産に登録されてからは現地の環境も整備されており、屋根に覆われた発掘現場を見下ろすように、周囲をぐるりと一周しながら見学できます。A・B・C・Dと4つのセクションに分かれていますが、地下にはまだ同じような円形神殿が、合計で20個ほどもあるといわれているのです。
遺跡の入口には、ビジターセンターやカフェ、ミユージアムショップも併設されています。ビジターセンターでは、当時の遺跡周辺の様子を再現したイラストや、大画面で上映される解説動画などが見られるので、事前にチェックしておくとさらに楽しめるでしょう。
アクセス手段は、シャンルウルファ市街から出ているバスかタクシー、またはレンタカーを利用することになるでしょう。ギョベクリテペ遺跡を観光するツアーに参加するという方法もあります。
名称:Göbekli Tepe
住所:Örencik, 63290 Haliliye/Şanlıurfa
ギョベクリテペの迫力満点の巨石群や、世界最古のフルサイズの石像といわれる「ウルファマン」など、見ごたえ抜群です。ちなみにこの「ウルファマン」は、テレビ東京系列の『やりすぎ都市伝説』という番組で、「宇宙から飛来した生命体で、地球人類はこの生命体から叡智を授かったと伝わっている」と紹介されて一躍話題になりました。
この博物館の特筆すべき点は、展示物のほとんどがレプリカではなくオリジナルだということ。ここでしか見られない感動があります。また、考古学(遺跡)公園やエデッサモザイク博物館が併設された複合施設であるため、トルコの歴史や考古学に興味がある方は、一日中楽しめるスポットといえるでしょう。
名称:Şanlıurfa Archaeology Museum
住所:Haleplibahçe, 2372. Sk., 63200 Merkez/Eyyübiye/Eyyübiye/Şanlıurfa
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世界最古の遺跡と噂されていた「ギョベクリテペ遺跡」は、2018年に世界遺産に登録され、トルコ全域で歓喜の声が上がりました。そんな「ギョベクリテペ遺跡」には、どのような魅力があるのでしょうか。世界最古の「ギョベクリテペ遺跡」の魅力について、詳しい内容を紹介していくので、参考にしてみてください。
目次
ギョベクリテペ遺跡とは?
ギョベクリテペは、トルコ南東部にあるシャンルウルファの丘の上に位置しています。1960年代には、アメリカのシカゴ大学チームとトルコチームで発掘調査を始めていました。しかし、その場所は長い間耕作地として使われていたため、耕作に邪魔な石などは運び出されたり、破壊されたりして、遺跡としての姿はありませんでした。
その後、ドイツの考古学チームが発掘を続けている最中、ある農夫が畑を耕しているときに、大きな石が見つかりました。除去するために石を掘っていくと、石柱であることがわかったため、本格的な発掘調査に入ったのです。掘り続けると、巨大なT字型の石柱が見つかりました。また、付近に大規模な遺跡群があることも判明しました。
ギョベクリテペは世界最古の遺跡
“Göbeklitepe” by Teomancimit License at CC BY-SA 3.0ギョベクリテペ遺跡は、放射性炭素年代測定による調査の結果、地球上で最古の高度な文明であるといわれていたメソポタミア文明よりも、7,000年も古い文明の遺跡であることが判明しました。
一番古いものは今から1万2,000年前に建造されたものとして認められています。エジプトのピラミッドでさえも7,000年前の建造物であることから、かなり昔に建造されたものであることがわかるでしょう。
その後、埋められたり、新しい建物が作られたりを繰り返し、最終的には紀元前8,000年頃には埋められたままで放棄されていたことがわかりました。
ギョベクリテペは世界最古の宗教施設だった?
“Göbeklitepe” by Klaus-Peter Simon License at CC BY-SA 3.0石柱や石壁には動物のレリーフが多く刻まれています。これは狩りの成功を祈ったものと考えられます。このことから、今はこの地は荒地ですが、当時は動物も多く生存する緑豊かな土地であったとも考えられます。また、様式化された腕や手、腰布といったモチーフの彫刻も見つかっているようです。
ギョベクリテペは神殿遺跡の説が強いですが、これだけの神殿を作るには長い歳月がかかります。多種多様なモチーフが刻まれた石柱はひとつで10トン以上もあるのです。石を切り出して運んだり、繊細な彫刻を施したりするには、多大な人手が必要な事が予測されます。
そのため、普通は周りに、この神殿に携わった人々が生活する住居などがあるはずですが、まだここには住居跡が見つかっていません。農耕が始まる前、文明が始まる前に、すでに宗教が存在していた!?これまでの定説を覆しています。
世界最古の頭蓋信仰が行われていた痕跡も
ギョベクリテペでは、世界最古の頭蓋崇拝が行われていたとみられています。ギョベクリテペで発見された3つの頭蓋骨の破片に、死後に加工された痕跡が分かったというのです。頭蓋崇拝はよくあることですが、この時代から頭蓋崇拝があったという考えは初めてです。また、他にも人の形をしたと思われる石像がいくつも発見されています。頭部や口が無いものがあり、生贄信仰があったものではないかといわれています。
ギョベクリテペ遺跡の謎
ギョベクリテペ遺跡で謎とされているのが、本来神殿を建造したのであれば、移住することを考えて、周辺に村が建設されているはず、という点です。
しかし、ギョベクリテペ遺跡の場合は、近くに村落が発見されておらず、謎が残されています。すぐに他の場所に移住したにしても、大規模な建造物に村落がないのは不思議です。少なくとも、建造物が完成するまでの間は、生活していた痕跡がなくてはおかしいでしょう。
研究の中には、紀元前8,000年前には「ギョベクリテペ遺跡」は放棄されており、建造されて2,000年ほどで野晒しになったことから、周辺には人が住んでいる気配が残っていないのではないか、という説もあります。
周辺地域の人が集まる大聖堂だった?
最近になって、ギョベクリテペは「地域の人々の集会場所だったのではないか?」という説も出てきています。ギョベクリテペと似た小さな遺跡が、200kmほど離れた別の集落でも見つかったからです。そこでは、ギョベクリテペ遺跡で出土したものと同じような石柱も発見されています。また、遺跡からは、ガゼルや鹿、オーロックス(既に絶滅している牛の一種)などの動物の骨や、初期のビールが入っていたと思われる石の容器なども発掘されました。周辺の狩猟採集民が宗教施設としてのギョベクリテペ遺跡に食料を持って集まり、定期的に情報交換をしていたのではないか、とみられています。
これまでの考古学史の定説を覆す歴史的発見
以前は、文明は農業から始まると常に考えられていました。人々はまず農業コミュニティに定住し、地域社会の構造が複雑化したあとで、さまざまな信仰を持ち、巨大な寺院や建物を建設するために協力し合ったというのが定説だったのです。しかし、ギョベクリテペは、人々が最初の農場を作る500年前に建てられています。つまり、農耕に先立って、宗教や儀式という概念を人間が有していた可能性を示しているのです。この地でドイツの考古学チームを率いた故クラウス・シュミット氏は、神殿を建てるために多くの労働力が必要になり、その働き手の食料を確保する手段として、農業を始めるに至ったと主張していました。
ギョベクリテペ遺跡は、「人間の文明がどのように始まったか」ということについて、これまでの常識を覆す歴史的意義を持っているのです。
ギョベクリテペ遺跡から出土した石像
“Statue from Gobeklitepe @ Urfa Museum” by Jennifur License at CC BY 2.0ギョベクリテペ遺跡からは、日本でいう土偶のような、人をモチーフにした石像が発見されています。その中には、頭部や口が意図的に作られていない石像が見つかっているようです。これは人身御供の代替品として製造されたのではないと言われています。
また、ギョベクリテペ遺跡から出土した石像の手の彫刻については、モアイなどの石像と共通する部分が発見されているのです。そのため、何らかの関係性があるのではないかと噂されていますが、未だに謎が多いとされています。
いずれにせよ、まだ発掘は全体の5%ほどしか進んでいないため、色々な解釈がされています。建築され、埋められ、また他の場所に建築され、これらは一体何を意味しているのか、なぜ住居跡が無いのか、誰が作ったのかなど、憶測が飛び交っています。これからさらに発掘・研究が進み、真相がわかってくる、大変興味深い遺跡となること間違いないかと思います。
ギョベクリテペ遺跡は観光スポットとして人気急上昇中
2018年にトルコの18件目の世界遺産として登録されて以降、ギョベクリテペは世界中の観光客が集まる人気の名所となっています。あの有名な『ナショナルジオグラフィック』による2020年版「ベストトリップ」リストの文化部門にて、25の必見の観光先のひとつとして選出されたほどです。今後ますます人気が高まるでしょう。
世界遺産に登録されてからは現地の環境も整備されており、屋根に覆われた発掘現場を見下ろすように、周囲をぐるりと一周しながら見学できます。A・B・C・Dと4つのセクションに分かれていますが、地下にはまだ同じような円形神殿が、合計で20個ほどもあるといわれているのです。
遺跡の入口には、ビジターセンターやカフェ、ミユージアムショップも併設されています。ビジターセンターでは、当時の遺跡周辺の様子を再現したイラストや、大画面で上映される解説動画などが見られるので、事前にチェックしておくとさらに楽しめるでしょう。
ギョベクリテペ遺跡への行き方
ギョベクリテペ遺跡は、トルコの南東部にあるŞanlıurfa(シャンルウルファ)から、北東に20kmほど行ったところに位置しています。車で行けば、20~25分ほどで到着します。アクセス手段は、シャンルウルファ市街から出ているバスかタクシー、またはレンタカーを利用することになるでしょう。ギョベクリテペ遺跡を観光するツアーに参加するという方法もあります。
名称:Göbekli Tepe
住所:Örencik, 63290 Haliliye/Şanlıurfa
シャンルウルファ考古学博物館も見逃せない!
ギョベクリテペ遺跡を見に行くなら、シャンルウルファ中心地にある「シャンルウルファ考古学博物館」も要チェックです。2015年にオープンしたトルコ最大の博物館で、ギョベクリテペをはじめ、周辺で発見された貴重な出土品など、1万点以上の歴史的な展示を見ることができます。ギョベクリテペの迫力満点の巨石群や、世界最古のフルサイズの石像といわれる「ウルファマン」など、見ごたえ抜群です。ちなみにこの「ウルファマン」は、テレビ東京系列の『やりすぎ都市伝説』という番組で、「宇宙から飛来した生命体で、地球人類はこの生命体から叡智を授かったと伝わっている」と紹介されて一躍話題になりました。
この博物館の特筆すべき点は、展示物のほとんどがレプリカではなくオリジナルだということ。ここでしか見られない感動があります。また、考古学(遺跡)公園やエデッサモザイク博物館が併設された複合施設であるため、トルコの歴史や考古学に興味がある方は、一日中楽しめるスポットといえるでしょう。
名称:Şanlıurfa Archaeology Museum
住所:Haleplibahçe, 2372. Sk., 63200 Merkez/Eyyübiye/Eyyübiye/Şanlıurfa
まとめ
「ギョベクリテペ遺跡」は、世界最古の建造物として認められ、トルコの観光地として高い人気があります。トルコ旅行の際には、ぜひ一度見て頂きたいです。ぜひ、検討してみてください。ターキッシュエア&トラベルでは、トルコ旅行のプロが、お客様のご要望に合わせたオーダーメイドのツアーをご提供しています。安心・安全にギョベクリテペ遺跡に行きたいという方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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