パムッカレ・ヒエラポリス（複合遺産・1988年）

デニズリ市内から車で30分程のところに位置するこの都市遺跡は、古代都市ヒエラポリスの考古学上における重要性と世界遺産パムッカレの比類無き自然美と、二つの特性を有しています。

度々の地震で都市遺跡の多くは酷いダメージを受け、今日しっかりとした状態にあるものは少ないです。

ビザンチン時代に教会に転用されたローマ浴場は修復され、現在は博物館としてヒエラポリス出土の彫像や石棺などが展示されています。

また、別の浴場施設や浮き彫りが美しい劇場、殉教者フィリポの為にビザンチン時代に建設された複雑な設計の墓（マルティリウム）にハドリアヌスに捧げられた二つの塔のある記念門、その後方の記念通路など・・・ヒエラポリスには沢山の見どころがあります。


トルコ国内でも最大規模を誇る古代墓地跡、ネクロポリス(死者の町＝墓地)の見学も見逃さないようにしましょう。

この地一帯のあちらこちらで湧き出る鉱泉は、古代から治癒効果を信じる多くの病人をこの地に引き付けていました。

完治した者は故郷に戻りましたが、ここで生涯を閉じた者はその人物の故郷の習慣に従って埋葬されました。
その為、ネクロポリスには、トゥムリ型、石棺型、反転した舟型、家屋型など実に多種多様の墓が造られることとなりました。

パムッカレの自然が作り上げた美しさは、世界で唯一無二のものです。
この自然美を目にする為だけに世界の各国から沢山の観光客がこの地を訪れています。


石灰分の高い鉱泉水が作り上げた芸術作品と言えるこの一帯の地層は、水に含まれる炭酸ガスが抜けて石灰の堆積した結果で、時と共に蓮の葉が段々に重なり合った様な、純白の神秘的な風景が出来上がりました。

“綿の城”を意味するパムッカレを常に洗う様に流れ落ちる水は人肌程度のぬるま湯です。

パムッカレは1988年に世界遺産に登録されました。