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トルコ文字ってどんな文字?|トルコ語アルファベット
トルコでトルコ語が話されていることは皆さんご存じかと思います。しかし意外とトルコ語の文字を御存じなく、周辺諸国がアラビア文字やペルシャ文字やキリル文字を使っていることから「トルコ語はどんな文字を使っているの?」「旅行に行って看板が読めるかな?」と思われる方も多いかもしれません。
トルコ語は皆さんの馴染みのあるラテン文字を用いた独自の「トルコ文字」を使用しています。日本人でも見て解り、読みやすい文字ですので、直ぐに親しめること間違いありません。
現在のトルコ文字は、ラテン文字を基本とした母音8字+子音21文字の全29文字で構成されています。
全ての文字に大文字と小文字があり、一般的な英語のアルファベットに無いトルコ独自の文字が7文字、トルコ文字に無い英語のアルファベット文字が3文字ほどあります。
B → b → べ
C → c → ヂェ
Ç → ç → チェ
D → d → デ
E → e → エ
F → f → フェ
G → g → ゲ
Ğ → ğ → ※
H → h → へ
I → ı → ウ
İ → i → イ
J → j → ジェ
K → k → ケ
L → l → レ
M → m → メ
N → n → ネ
O → o → オ
Ö → ö → オ
P → p → ぺ
R → r → レ
S → s → セ
Ş → ş → シェ
T → t → テ
U → u → ウ
Ü → ü → ウ/ユ
V → v → ヴェ
Y → y → イェ
Z → z → ゼ
※「Ğ → ğ」はユムシャック・ゲと言いますが、長母音なので単独では無音です。
因みに、トルコ語でアルファベットの事を”アルファべ(Alfabe)”または最初の3文字をとって”アべジェ(Abece)”と言います。文字は”ハルフ(Harf)”です。
トルコ語には8つの母音があり、その中でも舌の前の方で発音する前舌母音E、İ、Ö、Üと舌の後の方で発音する後舌母音A、I、O、Uの二つの種類に分かれます。
日本人に馴染みのないI、Ö、Üの発音は下記の様に発音します。
文字の下にヒゲが付いていたり、文字の上に点々が付いていたり、日本人には見慣れない文字がありますが、母音のI、İ、Ö、Üについては上記で説明した通りです。
Ç、Ş、Ğも特に難しいことありません。下記にてご説明いたします。
この3文字はWashington (ワシントン)やExel(エクセル)など外来語表示の時のみ使用します。
例 未だ hâlâ (ハーラー) ⇒シャプカ無しの場合…父方の叔母 hala(ハラ)
利益 kâr (キャール) ⇒シャプカ無しの場合…雪 kar (カール)
なお、アラビア語やペルシャ語からきたトルコ語の単語で、“g, k”の後にくる母音“a”と“u”の上にも「^」が付けられ、kaはカではなくキャ、gaはガではなくギャと読まれることも有ります。
例 紙kâğıt (キャーウト)、話・ストーリー hikâye (ヒキャーイェ)
突厥文字、ウイグル文字、13世紀頃からアラビア文字、15世紀以降オスマン文字(ペルシャ-アラビア文字)が長い間使われてきました。その後、19世紀中半のオスマン帝国西洋化政策(タンズィマート)の開始により、印刷機器普及に於いてのオスマン文字の問題点やオスマン文字習得の難解さが浮き彫りになり、オスマン文字の文字改革の試みが始まります。また、この改良に並行してオスマン文字からラテン文字を採用するべきとの考えもありました。
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検討に検討を重ね、現在の形のトルコ語アルファベットと表記法が完成し、1928年11月1日の国民議会に於いて、アラビア文字に代わってトルコ語の音声構造に適したラテン文字の採用が立法化されました。
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1928年12月1日から新聞、雑誌、映画の字幕、広告及び標識が、1929年1月1日からは公的機関でのやり取り、銀行、政治的・社会的機関での外内部でのやり取りに於いて、また本などの出版物において、全て新トルコ文字が使用されることが義務付けられました。学校でもオスマン語アラビア文字の教科書が廃止されラテン文字での教育が始まりました。
因みに、憲法で新トルコ文字の読み書きが出来ない者は大国民議会の議員に慣なれない旨も定められました。
この文字の改革は、政教分離と世俗化を進めるトルコ共和国の脱イスラムの為に重要な改革であだったのです。
なおこの時、文字だけではなく数字においてもアラビア文字を使用したアラビア・インド数字から、現在私たちが使用しているアラビア数字に変更されました。
トルコ共和国の概要|トルコってどんな国? | トルコ旅行 トルコツアー・観光なら、安心の『ターキッシュエア&トラベル』におまかせ!
その後トルコ言語協会に名称を改めたこの研究機関は、現代トルコ語の発展に重要な役割を果たしたのです。トルコ言語協会は1983年にアタテュルク文化言語歴史高等協会に組み込まれました。
アタテュルクの行った文字・言語改革は国民に浸透し、書き言葉においてトルコ語が使用される割合が1932年以前には35~40%ほどだったのが、今日では80~85%に達しています。
トルコ語を話しましょう!日本語と同じ言語グループに属したトルコ語の勉強は簡単です。
中央アジアやトルコ近隣などトルコ語を使う国が数多くある中、現代トルコ文字はトルコ特有のもので、現在全く同じ文字を使っている国は他にありません。
トルコ語は皆さんの馴染みのあるラテン文字を用いた独自の「トルコ文字」を使用しています。日本人でも見て解り、読みやすい文字ですので、直ぐに親しめること間違いありません。
目次
トルコ文字のアルファベット
現在のトルコ文字は、ラテン文字を基本とした母音8字+子音21文字の全29文字で構成されています。
全ての文字に大文字と小文字があり、一般的な英語のアルファベットに無いトルコ独自の文字が7文字、トルコ文字に無い英語のアルファベット文字が3文字ほどあります。
- 大文字 → 小文字 → 読み
B → b → べ
C → c → ヂェ
Ç → ç → チェ
D → d → デ
E → e → エ
F → f → フェ
G → g → ゲ
Ğ → ğ → ※
H → h → へ
I → ı → ウ
İ → i → イ
J → j → ジェ
K → k → ケ
L → l → レ
M → m → メ
N → n → ネ
O → o → オ
Ö → ö → オ
P → p → ぺ
R → r → レ
S → s → セ
Ş → ş → シェ
T → t → テ
U → u → ウ
Ü → ü → ウ/ユ
V → v → ヴェ
Y → y → イェ
Z → z → ゼ
※「Ğ → ğ」はユムシャック・ゲと言いますが、長母音なので単独では無音です。
因みに、トルコ語でアルファベットの事を”アルファべ(Alfabe)”または最初の3文字をとって”アべジェ(Abece)”と言います。文字は”ハルフ(Harf)”です。
トルコ文字の読み方
英語の場合、エー、ビー、シー、ディー…と読みますが、トルコ語の場合、子音の後に” -e” を付けて呼びます(例:Cの読み方はCに-eを付けてCe(ヂェ)と読みます)。ただし、母音は上記の通り” -e”を付けずにそのままの読みです。トルコ語の母音
【 A、E、I、İ、O、Ö、U、Ü 】トルコ語には8つの母音があり、その中でも舌の前の方で発音する前舌母音E、İ、Ö、Üと舌の後の方で発音する後舌母音A、I、O、Uの二つの種類に分かれます。
日本人に馴染みのないI、Ö、Üの発音は下記の様に発音します。
- I:イの口でウと発音。日本語の「う」を思いっきり口の力を抜いて発音すると近くなります。これの上に点があるİはiで、イスタンブールのイです。
- Ö:オの口でエと発音。オよりも口をすぼめる感じで。ドイツ語を知っている人なら「o ウムラウト」と同じです。
- Ü:ウの口でイと発音。ドイツ語を知っている人なら「u ウムラウト」と同じです。
トルコ文字独自の文字
【 Ç、Ş、Ğ、I、Ö、Ü 】文字の下にヒゲが付いていたり、文字の上に点々が付いていたり、日本人には見慣れない文字がありますが、母音のI、İ、Ö、Üについては上記で説明した通りです。
Ç、Ş、Ğも特に難しいことありません。下記にてご説明いたします。
- Ç(ç):Ch(チ)の発音で、後ろに母音が就くとチャ行のça(チャ)、çi(チ)、çu(チュ)、çe(チェ)、ço(チョ)...のようになります。
例 茶Çay (チャイ)、スープ Çorba (チョルバ)、なぜならÇünkü(チュンキュ)
※因みに普通の「C」はチに点々の”ヂ”の発音となります。
例 ガラスCam (ヂャム)、子供Çocuk (チョヂュク)、可愛いCici (ヂヂ)
- Ş(ş):Sh(シ)の発音で、後ろに母音が付くとシャ行のşa(シャ)、şi(シ)、şu(シュ)、şe(シェ)、şo(ショ)...のようになります。
例 ワインŞarap (シャラプ)、ビンŞişe (シシェ)、運転手Şöför (ショフォル)
- Ğ(ğ):Yumuşak ge(ユムシャック・ゲー)と言い、直前の文字を延ばす長音文字です。これ単独では無音なので発音しません。また、単語の頭文字になることも有りません。
例 木Ağaç (アーチ)、山Dağ (ダー)、教育Eğitim(エーイティム)
トルコ文字に無い文字:Q、W、X
この3文字はWashington (ワシントン)やExel(エクセル)など外来語表示の時のみ使用します。
特別な記号「^」
母音の“a, u, i”の上に、たまに帽子の意の”シャプカ(şapka)“と言う「^」記号が付いていることがあります。これは外国語語源の単語において、その部分を細く伸ばすのを表すために使われる記号です。同じ単語で読み方によって意味が変わる物もあり、差別化の為にも使われます。例 未だ hâlâ (ハーラー) ⇒シャプカ無しの場合…父方の叔母 hala(ハラ)
利益 kâr (キャール) ⇒シャプカ無しの場合…雪 kar (カール)
なお、アラビア語やペルシャ語からきたトルコ語の単語で、“g, k”の後にくる母音“a”と“u”の上にも「^」が付けられ、kaはカではなくキャ、gaはガではなくギャと読まれることも有ります。
例 紙kâğıt (キャーウト)、話・ストーリー hikâye (ヒキャーイェ)
トルコの文字改革 オスマン語アラビア文字からラテン文字へ
トルコ人は、話し言葉としてトルコ語を話しますが、トルコ語の表記として定まった文字が無かったため、中央アジアにいた8世紀から現在にいたるまで様々な文字を使用してきました。オスマン帝国末期の文字改革の試み
突厥文字、ウイグル文字、13世紀頃からアラビア文字、15世紀以降オスマン文字(ペルシャ-アラビア文字)が長い間使われてきました。その後、19世紀中半のオスマン帝国西洋化政策(タンズィマート)の開始により、印刷機器普及に於いてのオスマン文字の問題点やオスマン文字習得の難解さが浮き彫りになり、オスマン文字の文字改革の試みが始まります。また、この改良に並行してオスマン文字からラテン文字を採用するべきとの考えもありました。
オスマン帝国623年の歩みを全解説!世界を揺るがせた大帝国の繁栄と滅亡 | トルコ旅行 トルコツアー・観光なら、安心の『ターキッシュエア&トラベル』におまかせ!
ラテン文字への文字改革
トルコ共和国初代大統領のムスタファ・ケマル・アタテュルクは、識字率の向上及び近代文明の水準に到達することを目指して、共和国設立後の1923年より文字改革の構想を始めます。検討に検討を重ね、現在の形のトルコ語アルファベットと表記法が完成し、1928年11月1日の国民議会に於いて、アラビア文字に代わってトルコ語の音声構造に適したラテン文字の採用が立法化されました。
【トルコ建国の父】ムスタファ・ケマル・アタテュルクの歴史と偉業 | トルコ旅行 トルコツアー・観光なら、安心の『ターキッシュエア&トラベル』におまかせ!
1928年12月1日から新聞、雑誌、映画の字幕、広告及び標識が、1929年1月1日からは公的機関でのやり取り、銀行、政治的・社会的機関での外内部でのやり取りに於いて、また本などの出版物において、全て新トルコ文字が使用されることが義務付けられました。学校でもオスマン語アラビア文字の教科書が廃止されラテン文字での教育が始まりました。
因みに、憲法で新トルコ文字の読み書きが出来ない者は大国民議会の議員に慣なれない旨も定められました。
この文字の改革は、政教分離と世俗化を進めるトルコ共和国の脱イスラムの為に重要な改革であだったのです。
なおこの時、文字だけではなく数字においてもアラビア文字を使用したアラビア・インド数字から、現在私たちが使用しているアラビア数字に変更されました。
トルコ共和国の概要|トルコってどんな国? | トルコ旅行 トルコツアー・観光なら、安心の『ターキッシュエア&トラベル』におまかせ!
純粋なトルコ語への移行
この文字改革に伴い、トルコ語に多く使われていたアラビア語やペルシャ語からの借用語をなくし、純粋なトルコ語だけにしたいと考えたアタテュルクの提唱により、1932年にトルコ語協会が設立されました。その後トルコ言語協会に名称を改めたこの研究機関は、現代トルコ語の発展に重要な役割を果たしたのです。トルコ言語協会は1983年にアタテュルク文化言語歴史高等協会に組み込まれました。
アタテュルクの行った文字・言語改革は国民に浸透し、書き言葉においてトルコ語が使用される割合が1932年以前には35~40%ほどだったのが、今日では80~85%に達しています。
トルコ語を話しましょう!日本語と同じ言語グループに属したトルコ語の勉強は簡単です。
トルコ文字を使う国
中央アジアやトルコ近隣などトルコ語を使う国が数多くある中、現代トルコ文字はトルコ特有のもので、現在全く同じ文字を使っている国は他にありません。
トルコ語アルファベットに近い文字を使うトルコ諸語を話す国
- • アゼルバイジャン:隣国のアゼルバイジャンはトルコのアルファベットにə, x, qの3文字が加わったかなりトルコに近いトルコ語アルファベットを使っています。
- ウズベキスタン:キリル文字が一般的ですが、1995年よりラテン語に移行中で、2023年には完全にラテン語へ移行が完了すると言われています。最終的なウズベキスタンのラテン文字には、トルコ語と同じ"ş, ç, ö, ğ"の文字も加わるとも言われています。
- トゥルクメニスタン:1990年代にラテン語への移行が始まり、後にトルコ語風の表記に変更され、現在"ş, ç, ö"も含まれた30文字のアルファベットが使われています。