トルコ旅行・ツアーブログ|トルコツアー旅行記
アンゴラウサギとは?愛くるしい魅力やそのルーツ、飼い方のポイントを解説
もふもふの毛並みで大人気のアンゴラウサギ!最近日本でも、ウサギを飼う方が増えていますね!長い耳と鼻をピクピクさせる様子が、何ともかわいくてたまらないという声が随所から聞かれます。
そんな方々に、特に注目されてきているのがアンゴラウサギというトルコで生まれたウサギの種類なのです。ふわふわ、もふもふの毛並みが特徴の品種で、ただ見ているだけで癒される姿をしています。
ここでは、そんなアンゴラウサギの特徴や歴史を徹底解説していきましょう!
アンゴラウサギは「~アンゴラ」と名前の付く品種の総称です。世界最大規模のうさぎ協会であるアメリカうさぎ協会(ARBA)は、そのうちの4品種である、「イングリッシュアンゴラ」「フレンチアンゴラ」「サテンアンゴラ」「ジャイアントアンゴラ」を公認しています。公認ではありませんが「日本アンゴラ」と呼ばれる品種もいるのです。
種類によって多少の差はありますが、体長は約30~40cm、体重は約2.5kg~4kgほどの中型サイズが主です。とてもおとなしく穏やかで人懐こい性格です。個体差はありますが、男の子のほうがより穏やかで人懐こく、女の子は気が強い傾向にあるのだそうです。また男の子は縄張り意識が強いため、おしっこでマーキングをすることがあります。
うさぎ全体のおおよその寿命は7~8年ですが、最近はもっと長く生きるうさぎが増えてきました。10年を超えて生きることもあるのだとか。アンゴラウサギは基本的に野生ではなく、毛皮用に飼育するために改良された品種であるため、飼育方法が寿命に大きく左右します。うまく飼うことが出来れば、長くそばにいてくれるでしょう。
ちなみに、アニメにもなった人気4コマ漫画『ご注文はうさぎですか?』の喫茶店「ラビットハウス」にいるティッピーは、アンゴラウサギなのです!
ふわふわ、もふもふとお伝えした通り、アンゴラウサギは全身を覆う10㎝ほどの長い被毛が特徴の長毛種です。数あるウサギの品種の中でも最も長毛です。被毛はアンゴラ兎毛と呼ばれて、毛織物の素材として利用されています。
品種によりけりですが、白・灰色・黒・褐色、青、ライラックなどの毛色が存在し、毛織用には白が多く用いられています。毛は年3~4度採ることができ、現在は90%以上が中国産です。セーターや手袋など、冬の衣料品で見かけたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ペットとして飼う場合でもこの長い毛のお手入れが必須で、手入れをしてあげないと生きていくことさえも難しいと言われています。換毛期は1日2~3回、それ以外の時期も週に2~3回のグルーミングが必要です。そして3~4か月に1回は毛のカットを行います。毛をカットしたての姿はまるでぬいぐるみのようで、とてもかわいらしいのですよ。
アンゴラという名前から、アンゴラ共和国原産ではないかと想像してしまいますが、アンゴラウサギは“Angora”、アンゴラ共和国は“Angola”で、実は全く関係ないのです。アンゴラウサギはトルコが原産です。
アンゴラヤギやターキッシュアンゴラ(猫)と同様に、原産地トルコの首都アンカラ付近の古い呼び名であるアンゴラ(Angora)を名前に付けられたウサギです。古代アンゴラ(Ankara)の創設者はギリシャ神話に登場するロバの耳を持つことで有名なミダス王として崇拝されています。
王様の耳はロバの耳は実在したトルコの王様が元ネタ!あらすじや歴史を解説 | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』
アンゴラウサギについて他にも、下記のような説が展開されています。
一つ目は、場所に関わらず、突然変異的に長毛種が発生することがあるため、アンゴラウサギも突然変異で色々な場所で生まれたという説です。これを言ってしまうと何の種類にも当てはまってしまうような気もするのですが、フランスの研究家が唱えた説です。
二つ目は、イギリスの船乗りによってヨーロッパではない別の場所からもたらされたという説です。フランスのボルドーにおいて、イギリス人の船員が長毛のウサギを高値で売却したという記録があり、これを根拠としています。しかし、これがアンゴラウサギであったかどうかは定かではありません。なお、その後1777年にイギリスからアンゴラウサギが輸入され、各地に普及していったことは確実であるとされています。
このように、古来のアンゴラウサギの原産地については諸説ありますが、やはり根拠が弱いこともありトルコ原産説が定説です。
アンゴラウサギの兎毛をより商業的に使い勝手が良くなるよう品質改良していったのはフランスです。近代以降に、各国で広がった商業目的のアンゴラウサギの原産地はほぼフランスです。
フランスで改良の進んだトルコのアンゴラウサギですが、採毛された兎毛の多くはイギリスに輸出されていました。同時に、種兎の繁殖もどんどん進みイギリスやアメリカを中心に世界に輸出されていきました。
イギリスでは、その輸入したアンゴラウサギを独自で品種改良していきました。イギリス系アンゴラウサギから作られた製品はイギリス王室でも重用されることになります。国内普及活動に応じて、品評会も多く催されることになり見た目の改良もどんどん進んでいきました。
しかし、見た目重視を追いかけるあまりに体質の弱体化も進んでしまい、イギリス系アンゴラウサギの改良は方向転換を迫られる結果となってしまいました。
アンゴラウサギの中でも一番最小の品種で、ペットとして人気が高いです。おおよそ大人の体重で3kg前後となります。長毛で、長さは10cm以上になります。特に顔回りの毛が長くなってしまい目にかぶさってしまうほどです。この全身の毛がかわいいのですが、密生しているために頻繁にカットしてあげないといけません。
丸顔がとても愛らしく、長毛の犬と見間違えてしまうような姿です。
アメリカで商業価値を求めて生まれた種類です。名前があらわす通りですが、最大の大きさを誇ります。大人で5kgほどになるまで育ちます。アルビノ種のみで白い毛に赤い目しかいないことが大きな特徴です。イングリッシュアンゴラほどではありませんが、顔以外の全身がもふもふとした白い毛におおわれ、雪玉のような見た目であるのがなんともかわいらしいです。
全身が柔らかい綿毛でおおわれており、ジャイアントアンゴラ同様アルビノのみとなり、白い毛と赤い目が特徴です。耳がピンと立ち、全身がふわふわとした姿がなんともかわいい品種です。
しかしだんだんと飼育数が減ってしまい、現在は神戸市の六甲山牧場を中心として何とか品種保存が行われているのみとなり、約30匹程度が飼育されている状況です。何とか残してほしいものですね。
また、アンゴラウサギは暑さや高湿に弱いため、室温は14~21℃、湿度は60%以下に調整しましょう。
バリカンは音によってウサギを怖がらせてしまう恐れがあるため、毛の流れに沿ってブラッシングした上でハサミでカットします。また、換毛期には抜け毛が多くなるため、週に2~3回はブラッシングが必要です。
また、アンゴラウサギは被毛が長いため、排せつ物などの汚れがこびりついて細菌が繁殖し、皮膚病になるリスクもあります。ケージ内はこまめに清掃して清潔に保ち、体に汚れがついてしまったときはすぐにふき取ってキレイにしてあげましょう。
ウサギの悲鳴を聞いたことがありますか?恐怖と痛みで動けなくなった姿を見たことがあるでしょうか。冬場にはそのふわふわとして柔らかさでとても人気のあるアンゴラウールですが、では一体どうやって私達の手元に来るのでしょうか。
フランスから始まったアンゴラウサギの被毛を使った毛織物の産業は、アメリカや中国、日本にまで伝播したのですが、その後各地で産業の変遷や化学繊維の発達が進むなかで、生産の中心はだんだんと中国に集約されてきました。
今では、世界中のアンゴラ被毛の90%が中国から来ています。そして、この生産過程で行われるウサギの採毛方法が現在問題となっており、動物愛護団体のPETAが2013年から反対運動を行ってきました。
2013年PETAの調査団は、中国の10か所の様々なアンゴラ繊維工場に出向き、採毛方法の調査を行いました。山東省の工場で撮影した、とてもショッキングな採毛映像が公開されています。
そこでは、アンゴラウサギの首をつかみ、足をひもで縛り、生きたまま毛をむしり取るという乱暴な作業の様子が記録されていました。声帯が無いため本来は鳴かないはずのウサギが、この映像では大きな声をあげている様子が見られます。それはもう、毛をむしるというより皮膚をむしっている映像で、赤く染まった皮膚が見えるまで行われていました。
他にも、金属のハサミで毛をそられ、皮膚が切れようがお構いなく作業が続けられた映像なども収められています。毛を安全に刈るバリカンが使用されることもありませんでした。
ウサギたちは真っ赤になった肌となり、あまりの痛みと恐怖に、もうその場から自分で動くことが出来なくなります。そのまま狭く、糞尿にまみれた不衛生な檻に放りこまれて、傷ついた身体もそのままに放置されていきます。化膿したり死に至ることもありますが、手当がなされることもありません。
ただただ、ひたすら安上がりで早いからという理由で、このような残酷な行為が行われることにPETAは強い警鐘を鳴らしました。アンゴラウサギは5年から10年も生きるところが、ここでは平均2年ほどであるといわれています。3か月ごとに行われるこの採毛と、不衛生な環境が、いかにアンゴラウサギに強いストレスをあたえるかということがよくわかる映像でしょう。たとえ生き残っても、被毛がアンゴラ繊維として使えなくなれば首の骨を折って殺されてしまいます。
この調査結果を受けて、欧米のアパレル大手各社は次々とアンゴラ製品の販売を中止しました。中国からのアンゴラ輸入を停止した国も多くあります。中国の動物保護法の整備の遅れが露呈した形になりました。
一方で、すべての工場がこういう過程を経ているわけではないという、中国国内からの声もあります。ハサミやバリカンを使用した、ウサギを傷つけない方法をとる生産者も存在するという主張です。
日本では毟毛法に対する否定的な意見があり、アンゴラウサギの輸入当初から剪毛法が採用されてきました。剪毛法は、ウサギの耳の付け根を軽く持って背筋を中心として被毛を左右に分け、お尻側から頭側に向かって片側ずつハサミを入れて毛を刈り取ります。
一方、毟毛法は、ある程度時間が経って長くなった毛のみを週1回くらいのペースで少しずつ指先でつまんで抜く方法です。年4回ほどある換毛期に行えば、比較的スムーズに抜けます。
ここまで触れてきたように、アンカラ原産の動物として有名な種類がターキッシュアンゴラ(猫)とアンゴラヤギです。どちらもアンゴラが名前に含まれているのでわかりやすいですね。アンゴラウサギを知ったついでに、この2種類についても少しご案内していきましょう!
現在は非常に希少な存在となってしまったターキッシュアンゴラは、アンゴラウサギと同様に長毛で、耳がピンと上に立ち、凛とした見た目がとてもエレガントで美しいことが特徴です。被毛はシルクのようで艶をまとっています。
白い毛が多いのですが、品種改良により現在は毛色の種類も増えています。特徴となる目ですが、ブルーや、左右の色が違うオッドアイがよく見られます。しかし目の色の決まりはなく、最近は色々な色が存在するようにもなっています。
ターキッシュアンゴラとは?トルコは猫の楽園! | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』
そして、アンゴラヤギは、もともとチベットやヒマラヤ高地などの寒冷地に生息しており、数千年前に遊牧民によりアンカラへもたらされたと言われています。その後はオスマントルコ帝国が品種改良を進めてきました。実はアンゴラヤギの被毛は、よく知られる「モヘア」です。アンゴラウサギの被毛である「アンゴラ」と区別されています。
オスマン帝国623年の歩みを全解説!世界を揺るがせた大帝国の繁栄と滅亡 | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』
アンゴラヤギも他の2種と同じく長毛種で、もこもことした見た目です。その毛「モヘア」はシルクのような艶をもち、スーツ、ニット、ショールなどに使われる高級素材として世界中で用いられています。
当時オスマントルコ帝国はモヘアの素晴らしさを見抜いており、世界中のモヘアの取引独占のために、アンゴラヤギのオスはすべて去勢してから輸出したと言われています。
モヘアカーディガンやモヘアニットでよく聞くモヘア(モヘヤ)とは?
トルコと言えばイスタンブールを真っ先に思い出す人多いでしょう。イスタンブールを首都であると勘違いする人もいますが、実は首都はアンカラ。アンゴラウサギが生まれたこの場所は、いったいどんなところなのでしょうか?
アンゴラと呼ばれていたのは遥か昔、ローマ帝国占領時代のことです。アンゴラウサギに加えて、アンゴラヤギや、ターキッシュアンゴラなどの長毛種の動物がこの地で誕生したと言われています。
もともとはイスタンブールが政治、経済、文化の中心として栄えていました。しかし、トルコ共和国が誕生した際に、地方都市であったアンカラを首都とすることにしたのです。何故アンカラとしたかという理由は明確になっていませんが、これにより政治の中枢はアンカラに移ることとなりました。
アンカラはトルコ共和国の初代大統領で、近代化の父と呼ばれるムスタファ・ケマル・アタテュルクととても縁の深い場所です。死後には「アタテュルク廟」が建てられ、アタテュルクはそこで眠っています。現代トルコ建築物の傑作と言われており、ぜひ見ておきたい建物です。
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もう一か所外せない見どころと言えば、「アナトリア文明博物館」でしょう。ヒッタイト時代の貴重な遺物が残されており、とても見ごたえがあります。オスマントルコ帝国時代を思い起こさせる10のドーム屋根に覆われた建物も魅力的です。
アンカラの気候は、夏は最高気温が40℃以上で、冬の最低気温は-20℃以下であるというかなり過酷な環境です。その中を生き抜くために、もこもこした毛が必要となったと言われています。アンゴラヤギもターキッシュアンゴラも長毛です。こうした気候が特有の品種を生み出すのですね。
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そんな方々に、特に注目されてきているのがアンゴラウサギというトルコで生まれたウサギの種類なのです。ふわふわ、もふもふの毛並みが特徴の品種で、ただ見ているだけで癒される姿をしています。
ここでは、そんなアンゴラウサギの特徴や歴史を徹底解説していきましょう!
目次
アンゴラウサギってどんなうさぎ?
名称 | アンゴラウサギ(Angora rabbit) |
学名 | Oryctolagus cuniculus angra |
毛種 | 長毛 |
毛色 | 白・灰色・黒・褐色、青、ライラックなど |
体長 | 30~40cm |
体重 | 2.5~4kg |
性格 | 穏やかで人懐っこい |
寿命 | 7〜12年 |
原産国 | トルコ |
種類によって多少の差はありますが、体長は約30~40cm、体重は約2.5kg~4kgほどの中型サイズが主です。とてもおとなしく穏やかで人懐こい性格です。個体差はありますが、男の子のほうがより穏やかで人懐こく、女の子は気が強い傾向にあるのだそうです。また男の子は縄張り意識が強いため、おしっこでマーキングをすることがあります。
うさぎ全体のおおよその寿命は7~8年ですが、最近はもっと長く生きるうさぎが増えてきました。10年を超えて生きることもあるのだとか。アンゴラウサギは基本的に野生ではなく、毛皮用に飼育するために改良された品種であるため、飼育方法が寿命に大きく左右します。うまく飼うことが出来れば、長くそばにいてくれるでしょう。
ちなみに、アニメにもなった人気4コマ漫画『ご注文はうさぎですか?』の喫茶店「ラビットハウス」にいるティッピーは、アンゴラウサギなのです!
まるでぬいぐるみのよう!ふわふわしたアンゴラウサギの被毛
ふわふわ、もふもふとお伝えした通り、アンゴラウサギは全身を覆う10㎝ほどの長い被毛が特徴の長毛種です。数あるウサギの品種の中でも最も長毛です。被毛はアンゴラ兎毛と呼ばれて、毛織物の素材として利用されています。
品種によりけりですが、白・灰色・黒・褐色、青、ライラックなどの毛色が存在し、毛織用には白が多く用いられています。毛は年3~4度採ることができ、現在は90%以上が中国産です。セーターや手袋など、冬の衣料品で見かけたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ペットとして飼う場合でもこの長い毛のお手入れが必須で、手入れをしてあげないと生きていくことさえも難しいと言われています。換毛期は1日2~3回、それ以外の時期も週に2~3回のグルーミングが必要です。そして3~4か月に1回は毛のカットを行います。毛をカットしたての姿はまるでぬいぐるみのようで、とてもかわいらしいのですよ。
アンゴラウサギはどこから来たの?
アンゴラという名前から、アンゴラ共和国原産ではないかと想像してしまいますが、アンゴラウサギは“Angora”、アンゴラ共和国は“Angola”で、実は全く関係ないのです。アンゴラウサギはトルコが原産です。
アンゴラヤギやターキッシュアンゴラ(猫)と同様に、原産地トルコの首都アンカラ付近の古い呼び名であるアンゴラ(Angora)を名前に付けられたウサギです。古代アンゴラ(Ankara)の創設者はギリシャ神話に登場するロバの耳を持つことで有名なミダス王として崇拝されています。
王様の耳はロバの耳は実在したトルコの王様が元ネタ!あらすじや歴史を解説 | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』
アンゴラウサギについて他にも、下記のような説が展開されています。
一つ目は、場所に関わらず、突然変異的に長毛種が発生することがあるため、アンゴラウサギも突然変異で色々な場所で生まれたという説です。これを言ってしまうと何の種類にも当てはまってしまうような気もするのですが、フランスの研究家が唱えた説です。
二つ目は、イギリスの船乗りによってヨーロッパではない別の場所からもたらされたという説です。フランスのボルドーにおいて、イギリス人の船員が長毛のウサギを高値で売却したという記録があり、これを根拠としています。しかし、これがアンゴラウサギであったかどうかは定かではありません。なお、その後1777年にイギリスからアンゴラウサギが輸入され、各地に普及していったことは確実であるとされています。
このように、古来のアンゴラウサギの原産地については諸説ありますが、やはり根拠が弱いこともありトルコ原産説が定説です。
アンゴラウサギの飼育の歴史
アンゴラウサギの兎毛をより商業的に使い勝手が良くなるよう品質改良していったのはフランスです。近代以降に、各国で広がった商業目的のアンゴラウサギの原産地はほぼフランスです。
フランスで改良の進んだトルコのアンゴラウサギですが、採毛された兎毛の多くはイギリスに輸出されていました。同時に、種兎の繁殖もどんどん進みイギリスやアメリカを中心に世界に輸出されていきました。
イギリスでは、その輸入したアンゴラウサギを独自で品種改良していきました。イギリス系アンゴラウサギから作られた製品はイギリス王室でも重用されることになります。国内普及活動に応じて、品評会も多く催されることになり見た目の改良もどんどん進んでいきました。
しかし、見た目重視を追いかけるあまりに体質の弱体化も進んでしまい、イギリス系アンゴラウサギの改良は方向転換を迫られる結果となってしまいました。
アンゴラウサギの品種はわかっているだけで10種類以上!代表的な品種4選
上述のように、アンゴラウサギは被毛の採取のために品種改良された生まれたウサギのため、野生種は存在していません。改良によって10種類以上のウサギが生まれていますが、アメリカン・ラビット・ブリーダーズ・アソシエーション(ARBA)で公認されているのは現在下記の4種となり、世界でも広く知られています。イングリッシュアンゴラ
アンゴラウサギの中でも一番最小の品種で、ペットとして人気が高いです。おおよそ大人の体重で3kg前後となります。長毛で、長さは10cm以上になります。特に顔回りの毛が長くなってしまい目にかぶさってしまうほどです。この全身の毛がかわいいのですが、密生しているために頻繁にカットしてあげないといけません。
丸顔がとても愛らしく、長毛の犬と見間違えてしまうような姿です。
フレンチアンゴラ
大人でおおよそ4kgほどになるでしょうか。この中では2番目に大きな品種です。イングリッシュアンゴラとは違い、顔や全身の毛はそれほど長くありません。顔の様子をよく見ることが出来ます。毛の手入れという意味では、今回挙げた種類の中では比較的容易であると言えるでしょう。サテンアンゴラ
カナダで突然変異で生まれた品種です。大きな品種で、大人で4kgを超えてくる大きさです。サテンという名前のとおりに、毛に光沢がありとても柔らかいのが特徴です。毛並みの維持のために、毎日よくとかしてあげる必要があります。ジャイアント・アンゴラ
アメリカで商業価値を求めて生まれた種類です。名前があらわす通りですが、最大の大きさを誇ります。大人で5kgほどになるまで育ちます。アルビノ種のみで白い毛に赤い目しかいないことが大きな特徴です。イングリッシュアンゴラほどではありませんが、顔以外の全身がもふもふとした白い毛におおわれ、雪玉のような見た目であるのがなんともかわいらしいです。
番外編:日本アンゴラ
アメリカン・ラビット・ブリーダーズ・アソシエーション(ARBA)公認ではありませんが、なんと日本種のアンゴラウサギもいるのです!1925年にイギリスから輸入されたのちに、各国と同じく被毛利用を目的として、日本で独自改良された品種です。大人で4.5kgほどの大きさになると言われています。全身が柔らかい綿毛でおおわれており、ジャイアントアンゴラ同様アルビノのみとなり、白い毛と赤い目が特徴です。耳がピンと立ち、全身がふわふわとした姿がなんともかわいい品種です。
しかしだんだんと飼育数が減ってしまい、現在は神戸市の六甲山牧場を中心として何とか品種保存が行われているのみとなり、約30匹程度が飼育されている状況です。何とか残してほしいものですね。
アンゴラウサギの飼い方のポイント
飼育環境
アンゴラウサギは中型サイズで被毛も長いので、通常よりも大きめのケージを用意しましょう。一般的にウサギには金網タイプは適していないと言われますが、長毛種のアンゴラウサギについては問題なく、むしろ排泄物が下に落ちやすいというメリットもあります。また、アンゴラウサギは暑さや高湿に弱いため、室温は14~21℃、湿度は60%以下に調整しましょう。
食事・エサやり
食事はほかのペットうさぎと同じく、食事は牧草を中心にして、朝夕2回ペレットと呼ばれる餌と野菜、果物を食べて過ごします。毛が胃にたまってしまうことがあるため、食物繊維が豊富な果物やサプリメントを与えたりすることもとても役に立つでしょう。グルーミング・お手入れ
アンゴラウサギの長い毛は放っておくとどんどん伸びてしまうため、定期的なグルーミングが必要です。ウサギのトリミングをしてくれる専門店は少ないため、飼い主自身でこまめに手入れすることが重要です。バリカンは音によってウサギを怖がらせてしまう恐れがあるため、毛の流れに沿ってブラッシングした上でハサミでカットします。また、換毛期には抜け毛が多くなるため、週に2~3回はブラッシングが必要です。
注意すべき病気
アンゴラウサギは毛が長いため、毛球症に注意する必要があります。毛球症は、飲み込んでしまった毛が体内で固まって胃腸の働きを阻害してしまう病気で、死に至る危険性もあります。毛を飲み込んだことで食欲不振や排せつの減少が見られたら、すぐに病院に連れて行きましょう。また、アンゴラウサギは被毛が長いため、排せつ物などの汚れがこびりついて細菌が繁殖し、皮膚病になるリスクもあります。ケージ内はこまめに清掃して清潔に保ち、体に汚れがついてしまったときはすぐにふき取ってキレイにしてあげましょう。
アンゴラウサギの販売場所や値段は?
アンゴラウサギは希少価値が高く、飼育用としては数が少ないため、販売価格は10万円前後と高額です。ペットショップなどでも取り扱いは少ないため、里親を募集している人を探したり、ブリーダーから直接購入したりするケースが多いでしょう。アンゴラウール搾取の動物愛護上の問題!中国産アンゴラに「NO」を告げたアパレル各社
ウサギの悲鳴を聞いたことがありますか?恐怖と痛みで動けなくなった姿を見たことがあるでしょうか。冬場にはそのふわふわとして柔らかさでとても人気のあるアンゴラウールですが、では一体どうやって私達の手元に来るのでしょうか。
フランスから始まったアンゴラウサギの被毛を使った毛織物の産業は、アメリカや中国、日本にまで伝播したのですが、その後各地で産業の変遷や化学繊維の発達が進むなかで、生産の中心はだんだんと中国に集約されてきました。
今では、世界中のアンゴラ被毛の90%が中国から来ています。そして、この生産過程で行われるウサギの採毛方法が現在問題となっており、動物愛護団体のPETAが2013年から反対運動を行ってきました。
2013年PETAの調査団は、中国の10か所の様々なアンゴラ繊維工場に出向き、採毛方法の調査を行いました。山東省の工場で撮影した、とてもショッキングな採毛映像が公開されています。
そこでは、アンゴラウサギの首をつかみ、足をひもで縛り、生きたまま毛をむしり取るという乱暴な作業の様子が記録されていました。声帯が無いため本来は鳴かないはずのウサギが、この映像では大きな声をあげている様子が見られます。それはもう、毛をむしるというより皮膚をむしっている映像で、赤く染まった皮膚が見えるまで行われていました。
他にも、金属のハサミで毛をそられ、皮膚が切れようがお構いなく作業が続けられた映像なども収められています。毛を安全に刈るバリカンが使用されることもありませんでした。
ウサギたちは真っ赤になった肌となり、あまりの痛みと恐怖に、もうその場から自分で動くことが出来なくなります。そのまま狭く、糞尿にまみれた不衛生な檻に放りこまれて、傷ついた身体もそのままに放置されていきます。化膿したり死に至ることもありますが、手当がなされることもありません。
ただただ、ひたすら安上がりで早いからという理由で、このような残酷な行為が行われることにPETAは強い警鐘を鳴らしました。アンゴラウサギは5年から10年も生きるところが、ここでは平均2年ほどであるといわれています。3か月ごとに行われるこの採毛と、不衛生な環境が、いかにアンゴラウサギに強いストレスをあたえるかということがよくわかる映像でしょう。たとえ生き残っても、被毛がアンゴラ繊維として使えなくなれば首の骨を折って殺されてしまいます。
この調査結果を受けて、欧米のアパレル大手各社は次々とアンゴラ製品の販売を中止しました。中国からのアンゴラ輸入を停止した国も多くあります。中国の動物保護法の整備の遅れが露呈した形になりました。
一方で、すべての工場がこういう過程を経ているわけではないという、中国国内からの声もあります。ハサミやバリカンを使用した、ウサギを傷つけない方法をとる生産者も存在するという主張です。
アンゴラウサギの毛の刈り方
アンゴラウサギの採毛法は、- 指でつまんで抜き取る「毟毛法」
- ハサミで刈り取る「剪毛法」
日本では毟毛法に対する否定的な意見があり、アンゴラウサギの輸入当初から剪毛法が採用されてきました。剪毛法は、ウサギの耳の付け根を軽く持って背筋を中心として被毛を左右に分け、お尻側から頭側に向かって片側ずつハサミを入れて毛を刈り取ります。
一方、毟毛法は、ある程度時間が経って長くなった毛のみを週1回くらいのペースで少しずつ指先でつまんで抜く方法です。年4回ほどある換毛期に行えば、比較的スムーズに抜けます。
アンゴラウサギと同じくトルコのアンカラ産まれの動物
ここまで触れてきたように、アンカラ原産の動物として有名な種類がターキッシュアンゴラ(猫)とアンゴラヤギです。どちらもアンゴラが名前に含まれているのでわかりやすいですね。アンゴラウサギを知ったついでに、この2種類についても少しご案内していきましょう!
トルコの至宝!ターキッシュアンゴラ
トルコでは猫は大変かわいがられる存在です。人々の日常生活になじみ、社会全体で育てていると言ってもよいほど。その中でもトルコ原産とされるターキッシュアンゴラは、トルコの至宝として人々に愛される存在です。現在は非常に希少な存在となってしまったターキッシュアンゴラは、アンゴラウサギと同様に長毛で、耳がピンと上に立ち、凛とした見た目がとてもエレガントで美しいことが特徴です。被毛はシルクのようで艶をまとっています。
白い毛が多いのですが、品種改良により現在は毛色の種類も増えています。特徴となる目ですが、ブルーや、左右の色が違うオッドアイがよく見られます。しかし目の色の決まりはなく、最近は色々な色が存在するようにもなっています。
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モヘアの原料!アンゴラヤギ
そして、アンゴラヤギは、もともとチベットやヒマラヤ高地などの寒冷地に生息しており、数千年前に遊牧民によりアンカラへもたらされたと言われています。その後はオスマントルコ帝国が品種改良を進めてきました。実はアンゴラヤギの被毛は、よく知られる「モヘア」です。アンゴラウサギの被毛である「アンゴラ」と区別されています。
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アンゴラヤギも他の2種と同じく長毛種で、もこもことした見た目です。その毛「モヘア」はシルクのような艶をもち、スーツ、ニット、ショールなどに使われる高級素材として世界中で用いられています。
当時オスマントルコ帝国はモヘアの素晴らしさを見抜いており、世界中のモヘアの取引独占のために、アンゴラヤギのオスはすべて去勢してから輸出したと言われています。
モヘアカーディガンやモヘアニットでよく聞くモヘア(モヘヤ)とは?
アンゴラ?モヘア?カシミヤ?ニットによく使う動物毛はそれぞれどう違う?
洋服を作る繊維は、植物繊維・化学繊維・動物繊維と大きく3種類に分けられます。ここまで出てきたアンゴラやモヘアは動物繊維です。他に代表的な動物繊維といえば、ウール・カシミヤ・アルパカなどがありますが、それぞれ特徴があります。- アンゴラ
毛が細く長く、ふわふわとしたデザインのニットに使われます。デリケートで毛が抜けやすいため、ウールや化学繊維と混紡されるのが一般的です。 - モヘア(モヘヤ)
繊維が長く細く、まるで絹の様な光沢が見られます。非常に高価であるためウールやナイロンと混紡されることが多いです。 - アルパカ
南米原産のアルパカという動物の被毛です。細く柔らかいながら強靭で、光沢があるのが特徴で、空気をたくさん含むため保温性にも優れます。毛玉にもなりにくい素材です。 - カシミヤ
ヒマラヤ原産のカシミヤヤギの被毛です。アルパカよりもさらに繊細で軽く、手触りが非常に良い素材であるため、高級品として用いられます。 - ウール
羊の毛です。保温性・伸縮性に優れており、弾力があるので皺になりにくいことが特徴です。
アンゴラウサギ誕生の地、アンカラってどんなところ?
トルコと言えばイスタンブールを真っ先に思い出す人多いでしょう。イスタンブールを首都であると勘違いする人もいますが、実は首都はアンカラ。アンゴラウサギが生まれたこの場所は、いったいどんなところなのでしょうか?
アンゴラと呼ばれていたのは遥か昔、ローマ帝国占領時代のことです。アンゴラウサギに加えて、アンゴラヤギや、ターキッシュアンゴラなどの長毛種の動物がこの地で誕生したと言われています。
もともとはイスタンブールが政治、経済、文化の中心として栄えていました。しかし、トルコ共和国が誕生した際に、地方都市であったアンカラを首都とすることにしたのです。何故アンカラとしたかという理由は明確になっていませんが、これにより政治の中枢はアンカラに移ることとなりました。
トルコの首都アンカラの見どころ
アンカラはトルコ共和国の初代大統領で、近代化の父と呼ばれるムスタファ・ケマル・アタテュルクととても縁の深い場所です。死後には「アタテュルク廟」が建てられ、アタテュルクはそこで眠っています。現代トルコ建築物の傑作と言われており、ぜひ見ておきたい建物です。
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もう一か所外せない見どころと言えば、「アナトリア文明博物館」でしょう。ヒッタイト時代の貴重な遺物が残されており、とても見ごたえがあります。オスマントルコ帝国時代を思い起こさせる10のドーム屋根に覆われた建物も魅力的です。
アンカラの気候は、夏は最高気温が40℃以上で、冬の最低気温は-20℃以下であるというかなり過酷な環境です。その中を生き抜くために、もこもこした毛が必要となったと言われています。アンゴラヤギもターキッシュアンゴラも長毛です。こうした気候が特有の品種を生み出すのですね。
【トルコの首都】アンカラ旅行のおすすめ観光名所7選!治安や気候も解説 | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』
名称 | アタテュルク廟(Anıtkabir) |
住所 | Yücetepe, Akdeniz Cd. No:31, 06570 Çankaya/Ankara, Turkey |
住営業時間所 | 9:00~17:00(冬季は16:00まで) |
入場料金 | 無料 |
ウェブサイト | https://www.anitkabir.tsk.tr/index_eng.html |
名称 | アナトリア文明博物館(Anadolu Medeniyetleri Müzesi) |
住所 | Kale, Gözcü Sk. No:2, 06240 Ulus/Altındağ/Ankara, Turkey |
住営業時間所 | 8:30~19:00(冬季は18:00まで) |
入場料金 | 45TL(約810円) |
ウェブサイト | https://sanalmuze.gov.tr/anadolu-medeniyetleri-muzesi |
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