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トルコツアーガイド

カッパドキアの地下都市とは?謎に包まれた歴史と観光のポイントを解説


“地下都市巡りをせずにカッパドキアを語るべからず”と言われるほど、カッパドキア観光において地下都市は欠かせません。人を驚愕させる数多くの造りの中でも最も知名度の高い地下都市がネヴシェヒル~ニーデ間にある「カイマクルとデリンクユの地下都市(Kaymaklı ve Derinkuyu Yeraltı Şehri)」です。

見どころの多いトルコの世界遺産カッパドキアの中でも、特に見ごたえのある地下都市の魅力や歴史、観光の注意点などを解説します。

謎に包まれたカッパドキアの地下都市の歴史

カッパドキア・地下都市
カッパドキアにある地下都市はキリスト教時代のずっと以前から存在し、人口の増加につれてしだいに大きくなっていきました。古代ギリシアの著述家クセノポン(Xenophon)の著書、小アジア遠征記「アナバシス(Anabasis)※」の中には地下都市について下記の内容が書かれていました。

~家々は地下に作られている。入口はまるで井戸のように低く下に向かって広げられている。家畜のためにはトンネルがあり、人間ははしごを使っている。家の中に山羊、羊、牛やにわとりが飼われている。大きな壷にはワインがなみなみと入っていて、のどが渇いた者は誰でもそのそばの葦をとってワインを吸うことができる。ワインは水で薄めないとかなり強いが慣れてくると素敵な飲物である…… ~

地下都市は大小様々な部屋、寝室、馬屋、テーブル、ワインの醸造所、教会等、日常生活に必要な全ての機能や道具は岩を削って作られました。通気孔は各階へ通じ、地下の最も深い所でも楽に呼吸する事が可能でした。

地下都市建設の際の掘り出した土や岩をどこに捨てたのか、この信じ難い規模の設備を完成させるまでに一体どの位の年月を要したのか、そしていつ誰が利用してきたのか…、いずれも確かな答えは未だ見つからず謎が多く残されています。カッパドキア地方に大きな危機が訪れた時代のものと想定はされるものの、碑文も装飾も皆無な為に年代解明すら困難を極めています。

地下都市が見つかったのは1963年、ネヴシェヒル在住の男性によって偶然発見されました。その後、本格的に調査されるようになったのは1965年からと比較的最近のことです。未だ全容が解明されないままとなっている地下都市は、訪れる人を古代のロマンに誘いつつもミステリアスな気持ちにさせる場所となっています。

2020年7月20日からは、「妖精の煙突」のあるネヴシェヒル県で、カッパドキアで最も大きい地下都市が新たに公開をスタートしました。これは、2014年に偶然発見されたもので、約5,000年前のものとみられています。内部には、農作物を運ぶためと思われるトンネルや教会なども見つかっています。

※Anabasis(小アジア遠征記)
紀元前401年、ペルシャ王の子キュロスが雇ったギリシア傭兵に参加したクセノポンが各地の様子を細かく書き記した書物。

カイマクル地下都市
カッパドキアの岩窟群(複合遺産・1985年)|奇岩と初期キリスト教の遺跡 | トルコ旅行 トルコツアー・観光なら、安心の『ターキッシュエア&トラベル』におまかせ!

カイマクルの地下都市(Kaymaklı Yeraltı Şehri)

石灰岩を掘って地下8階から10階の深さにまで達している巨大な地下都市です。完全に地下部分に作られていることとその規模の大きさから、他のカッパドキアの岩窟住居とは一線を画しています。内部は、狭い通路から生活の場、換気孔までと様々な空間がまるで迷路をも想わせます。

地下都市での生活はキリスト教時代以前からすで営まれていましたが、一時は頻繁に利用されたのはアラブ人から逃れるキリスト教徒の避難所にもなりました。

アラブ人の脅威に様々な対策が練られるもどれも効を奏せず、キリスト教徒であった地元の人々はここに隠れて敵の撤退までの仮住まいとしていました。敵の侵入の危険に備え各階ごとに、石うすのような大きな丸い石板で扉を閉じられるようになっていました。石板の直径は1.5m、いざという時はすぐに転がすことのできる場所に置かれていました。他にも通気孔はもちろん、非難用のトンネルも備えるなど、この地下都市は完璧な防御の役割を果たしていました。

ここを訪れた人は壁を堀った箱型ベッドにも気を取られるかと思います。その他にも内部には教会や学校、食料や物品の貯蔵庫、ワイナリーも作られていました。通気孔は各階を突き抜けていてその幾つかは地下水まで達しているものもあり、井戸として水を供給する役割もありました。見学可能なのは一部のみですが、観光ルートにはそれぞれ表示があるので是非足を止めてみてください。

カイマクルの地下都市では一番多い時期では合わせて約2万人、常時でも約4千~8千人もの人々が隠れ住んでいたと言われています。地下都市が観光客の注目を浴びるようになったのはわずか50年前くらいからのことで、その前までは村人の貯蔵室や納屋として使われていました。

地下都市の内部を観光する際はガイドについて歩くか、矢印にそって注意深く進まないとすぐに道に迷ってしまいます。長短さまざまな狭いトンネルが四方八方に延びていたり、通路を急カーブでえぐって窪みを利用した大きな部屋があったりもします。頭上がとても低い場所や階段を使う場所もあるので頭上だけでなく足元にも十分に注意をして下さい。

カイマクルの地下都市の入場情報

カイマクルの地下都市へのアクセスは、タクシーで「ユルギュップ」から50分、「ギョレメ」から40分、「ネヴシェヒル」から35分かかります。人気スポットのため、ツアーに組まれているケースが多いです。
名称 Kaymaklı Yeraltı Şehri
営業時間 8~19時(冬季は17時まで)
定休日 なし
入場料 大人50TL、子供無料(8歳以下)
事前予約 不要
所要時間 1時間程度
駐車場 なし
*2021年現在の情報。営業時間・料金は変更になる場合があります。

デリンクユの地下都市(Derinkuyu Yeraltı Şehri)

地下都市
デリンクユの地下都市は、「深い井戸」という意味を持つ、広さ約4平方キロメートル、深さ約85メートルという地下空間を有する現在見学可能なカッパドキア最大規模の地下都市です。トンネルの長さは30km以上、下部層には多数の井戸が発見されています。

内部では一番多い時期で4万人、常時でも5千人~1万人もの人々が生活していたとされています。現在は地下8階まで見学が可能ですが、地下16階までもの地下空間が存在していることが確認されています。

地下都市の各層は階段と傾斜した通路でつながっており通路は迷路のように入り組み、高さは低く、人が屈んでやっと通れるほどの狭い場所もあります。

寝室や厨房として使われていた部屋があるほか、地下1階から3階には、それぞれワイナリーや羊小屋、貯水池、トンネルがあり、充実した居住環境だったことがうかがえます。換気のための通気孔は深さ約80メートルにも達し、最下層は貯水池として利用されていました。

学校、洗礼堂といった都市のような共同機能もあり、地下にもかかわらず、一つの都市として十分な役割を果たしていたようです。外部との出入口には滑車を利用して上下に移動するエレベーターも設置されていました。外敵から内部を守るため、通路が狭まっている場所や、武器庫、避難所といった施設も確認できています。

通気孔の上部には見張り台が設置され、敵が接近した場合にはたいまつを落として各階へ知らせることができる造りにもなっていました。このような内部構造から、一時的な避難場所ではなく恒久都市として人々が暮らしていたと考えられています。
そして、デリンクユの地下都市とカイマクルの地下都市との間には地下通路も確認されています。

デリンクユの地下都市の歴史

標高1000メートルの高原にあるカッパドキア地域は、火山活動が盛んな地帯です。デリンクユは火山の噴火で発生した火山灰に埋まっていたエリアですが、この地に住み着いた人々が火山灰で形成された柔らかな岩石帯を地下に掘り進めて行った結果、現在の姿が形成されてきたのです。

この地下都市が発生した時期や誰によるものかなど、正確な史実は分かっていませんが、いくつかの定説があるので紹介します。

1.ヒッタイト人説

紀元前15世紀~12世紀頃、この地に栄えたバビロン第1王朝を滅ぼしたヒッタイト人が、フリギア人の急襲から身を隠すために地下深くにトンネルを作ったとする説です。ヒッタイト人は鉄製の道具(鉄器)を開発したとされる民族で、地下都市の遺跡からヒッタイトの遺物も少数発見されています。

2.フリギア人説

紀元前8世紀~7世紀頃、ヒッタイト滅亡後にこの地に王国を築いたフリギア人が最初に作ったとする説です。フリギアの建築家たちは、当時高い技術力を持っていたため、この地下都市の建造が可能だったと考えられています。遺跡内で発見されたヒッタイトの遺物は、戦いの戦利品だったとされています。

3.ペルシャ人説

フリギアの後、この地を支配したペルシャ帝国の人々が地下都市を造ったという説です。ゾロアスター教の経典に、伝説のペルシャ王イマが地下に宮殿を建設したという記述があり、これがペルシャ人説の根拠になっています。

デリンクユの地下都市

デリンクユの地下都市入場情報

デリンクユの地下都市へのアクセスは、カッパドキア観光の拠点の一つである「ユルギュップ」のバスターミナルから車で1時間かかります。営業時間、定休日、入場料などの情報は下記の通りです。人気スポットのため、ツアーに組まれているケースが多いです。
名称 Derinkuyu Yeraltı Şehri
営業時間 8~19時(冬季は17時まで)
定休日 なし
入場料 大人50トルコリラ、子供無料(8歳以下)
事前予約 不要
所要時間 1時間程度
駐車場 有料駐車場あり
*2021年現在の情報。営業時間・料金は変更になる場合があります。

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オズコナック地下都市

アヴァノスの北14kmのオズコナック地下都市は1972年に発見されましたが、未だ全貌が明らかになっていません。川辺のスロープにあって損傷も激しいですが、各階の連絡用に開けられた穴、14の部屋の入り口を遮断する石白状の円形扉は興味深いです。

通常、この様な扉の中央には防御の際に煮えたぎった油を注いだり弓矢を放ったりする為と思われる穴が開けられていますが、ここの扉にはそれが見られません。入り口の階には馬屋として使用されていたと推定される二つの広間があり、厨房、食堂には瓶や炉の跡が残っています。

アジギョル地下都市

アクサライ~ネヴシェヒル街道上に位置するアジギョル地下都市は、市当局による美化整備と照明設置のあと一般公開が始まりました。三ケ所の入り口があり、現在は一階のみ見学することが可能です。

小さな部屋や通路を遮断する為の石白状の円形扉、換気用の通気口など、一帯に多く見られる他の地下都市と類似点が多いです。ネヴシェヒルに通じる主要道路上にある為アクセスは容易と言えるでしょう。

アジギョル 世界遺産カッパドキア

マズの地下都市

カイマクルの東10km、古代名をマサダとするマズ村にはまた別の地下都市があります。村の西手、岩場の麗につくられ、周辺に見られるローマ時代の岩窟墓はマズ村の過去を探る糸口となっています。あたかも古代の神殿を思わせる岩窟墓の一つは、三本の柱と記念門をして注意を引き付けます。

タトラリンの地下都市

アジギョルの北10km、タトラリン村にも1991年より一般公開が始まった地下都市があります。現在は二つのフロアーのみ見学することができますが、当時の入り口は完全に破壊されている為、西手に位置する小部屋から入ります。部屋と倉庫が他の地下都市と比較して大きいことから、恐らくここは軍事的な目的で使用されていたと想像されます。

カッパドキア地下都市の観光を満喫するためのコツや注意点

ガイドを付ける

カッパドキアの地下都市は、歴史的かつ宗教的にさまざまな意味があるエリアがあります。そのため、詳しいガイドを付けた方がより理解が深まり楽しむことができます。

服装や荷物に注意する

地下内では狭い空間を通ることがあり、屈むような姿勢で進まなければならない場所もあります。動きやすい服装と歩きやすい靴で見学しましょう。大きめの荷物は邪魔になるので、持ち込まないようにします。

ライトを用意する

地下都市の内部は照明でライトアップはされているものの、なかには暗い場所もあります。スマートフォンのライトや懐中電灯があると便利です。頭に装着するヘッドライトがあれば、両手が自由に使えるのでおすすめです。バッテリーや電池の予備も準備しておきましょう。

腰痛や膝痛のある人は注意

腰痛や膝痛のある人や、屈んだ状態で歩行するのが困難な人は、細い通路に一旦侵入すると戻りにくい場所があります。無理に進んで途中で痛みが発生すると危険です。一人で見学するのは控えたほうが良いでしょう。

トイレ

地下都市内にはトイレがありません。デリンクユやカイマクルの地下都市を見学するには1時間程度かかりますので、見学前に地上にある観光客用のトイレを利用しておきましょう。

地下都市やカッパドキア観光を最大限楽しむツアーの選び方

地下都市を見学するのにかかる時間は1時間程度ですが、中心部のギョレメから地下都市へ移動するにはタクシーで約40~50分程度かかります。自分で行くには、事前に交通手段を確認し、ある程度の余裕を持った時間を見積もっておく必要があります。

地下都市の見学をはじめ、カッパドキア観光を最大限に楽しむためには、あらかじめ地下都市見学が組み込まれたツアーに参加するのが便利です。

短い旅行期間の中で効率的に観光を楽しむことができ、現地であれこれ調べたり、迷ったりすることもないので安心です。現地ガイドを付ければ歴史や宗教的な背景も説明してくれるのでより深く観光を楽しむことができます。

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