トルコのおすすめ観光名所BEST20!治安やベストシーズン・日数も紹介
サフランボルは街全体が世界遺産!トルコの人気観光地の見どころは?
サフランボルは、トルコ北部の黒海から南に65㎞ほどの位置にある、カラビュック県に属する歴史ある街です。
サフランボルでは時代をさかのぼり、伝統的な建造物が並ぶトルコで最も美しい“旧世界”のスタイルを楽しむことができます。サフランボルは昔ながらの家並みで知られ、その珍しい建築デザインと建造物はトルコでも他に例を見ないものです。サフランボル市街は文化的価値が評価され、1994年にユネスコ世界遺産に登録されました。
サフランボルの古い家屋のいくつかは観光客が内部を見学できるようになっており、改装されてホテルやレストランとして営業されているものもあります。
特にカイマカムラールハウス、アイグロールハウスは興味深く、アスマズラール・ハウスル・コナックは修復後にトルコ・ツーリング・オートモービル・クラブによってホテルとして運営されています。また、メクテプチレルハウスやハジュ・メミシュレールハウスも見逃せません。パシャハウスも修復され、カフェとペンションに生まれ変わっています。
サフランボルはオスマン帝国時代の伝統的な家屋以外にも、17~19世紀ごろの歴史的価値の高い建造物が数多く見られる人気の観光地です。丘の上の城からは美しい町並みが見下ろせます。
ジンジ・ハン(隊商宿)とハマム(トルコ式風呂)、イゼットメフメットパシャモスクと図書館、キョプリュリュモスクも見どころです。また、ダーデレンモスク、カチャックモスクなども一見の価値があります。
サフランボルを発つ前に、職人の技を見ながら買い物ができるアラスタ・バザール(旧市場)にもぜひ立ち寄ってください。
「カイマカムラル・エヴィ(Kaymakamlar Evi)」は、オスマン帝国時代の19世紀はじめに建てられた伝統的な古民家で、サフランボルの必見観光スポットの一つです。かつてサフランボルで軍の司令官だったメフメト・エフェンディの邸宅の内部を博物館として公開しています。
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オスマン様式の建物は、1階が馬小屋と玄関、2階と3階が居住空間になっています。室内は歴史を感じる内装で、昔の家具や生活用品があるほか、当時の生活の様子を再現した人形も置かれており、リアリティのある展示を楽しめます。
室内で特に注目していただきたいのが、男性専用の空間(セラムルク)と、女性専用の空間(ハレム)に分かれていること。オスマン帝国時代、厳格なイスラム教徒の家庭では、男性と女性の生活スペースを別にしていたのです。室内で女性と男性が直接顔を合わせないようにするために、回転棚(ドンメ・ドラップ)を使って食事や飲み物を渡すといった工夫がなされていました。
ハヴズル・アスマズラルの邸宅は、19世紀に建てられた建物です。保存のために修復された後、ブティックホテルとして営業しています。名前の「ハヴズル」とは貯水槽の意味で、実際に建物の1階にある部屋の中央には、涼感の演出や防火のためと思われる貯水槽が置かれています。
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小高い丘の上に建つサフランボル歴史博物館では、サフランボルの歴史にまつわるパネルや写真、オスマン帝国時代の衣装や家具、生活用品などが展示されています。地下には、伝統工芸の職人の作業風景を人形で再現した展示も見られます。この建物は、1904年に建てられた政府庁舎を改装したものです。
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「アラスタ・バザール(Arasta Çarşısı)」は、旧市街の中心にある、17世紀より続く歴史ある市場です。繊細な細工が施された手編みレースのクロスやスカーフ、可愛らしい刺繍のバッグなどの他、木彫りのキャンドルスタンドや手鏡などの手工芸品、サフランボル名物のロクムなどが売られており、お土産を買うのにおすすめです。
可愛らしい雰囲気のバザールで、カフェなどもあるため、特にショッピングをしなくても、職人の仕事風景を見ながらのんびり散策するだけでも楽しめます。
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また、トカトル渓谷には、高さ80mの渓谷に突き出した半透明の床から、真下に広がる渓谷の絶景を見られる「クリスタルテラス」というアトラクションがあります。
サフランボルはトルコの首都アンカラから北に200kmほどの場所に位置しています。サフランボルへのアクセス手段は陸路のみで、アンカラからは車で約2時間30分、イスタンブールからは車で約5時間30分です。主要都市からはバスも出ており、イスタンブールからは夜行バスもあります。
アンカラからは日帰りでサフランボル旅行に行くことも可能ですが、この街ならではの伝統的な家屋を改装したホテルに宿泊して、世界遺産の街並みをゆっくり観光するのもおすすめです。
黒海地方の内陸寄りに位置するサフランボルの気候は、温暖湿潤気候と大陸性気候の中間的な特徴を持ちます。最も多くの観光客が訪れる7月と8月の夏季は暑くなりますが、高台に位置するバーラル地区は高原のような気候で比較的涼しく過ごせます。12月以降の寒い冬には雪が降ることもあります。
観光するなら、気候が穏やかな5~6月、夏の暑さが和らぐ9月がおすすめです。
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ロクムは、和菓子のゆべしや求肥のようなモッチリとした食感が特徴の、トルコの伝統的なスイーツです。ターキッシュデライトの名でも知られています。
トルコではさまざまな種類のロクムがありますが、サフランボルのロクムは特に有名なご当地ロクムの一つ。サフランボルの特産品であったサフランとヘーゼルナッツが使われ、外側にココナッツをまぶした一品です。通常のロクムより甘さ控えめで柔らかく、食べやすいのが特徴です。
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サフランボルという名前は19世紀にこの地域に点在していたサフラン畑に由来しています。今日では、サフラン畑はサフランボルから20kmのデウトバス村に移動して伝統を引き継いでいます。
現在でもサフランは名物の一つであり、サフラン入りハチミツやサフラン石けんなどもお土産として売られています。
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サフランボルは昔から手工芸が盛んであったことから、木工品や手編みレースの製品を売っているお店が多く見られます。木製のおもちゃやテーブルクロス、サシェ(匂い袋)がお土産として人気です。また、地元の鍛冶職人が作った食器などの銅製品もサフランボルの特産品の一つです。
サフランボルは旧石器時代より人々が定住していました。ペルシャ時代、ギリシャ時代を経て、ローマ・ビザンツ時代には人口も増えました。サフランボルの街にはローマ・ビザンツ時代の遺跡はありませんが、周辺には古墳、岩窟墓、レリーフなどがあるほか、サフランボルの南にあるスィパヒレル村にはローマ神殿の遺跡が残っています。
トルコ人がアナトリア(現在のトルコ)を支配するようになった後、サフランボルは12世紀初頭のダニシュメント家時代に、カスタモヌ県の一部としてトルコ人の手に落ちました。ちなみに、トルコ人がこの地に来る前まで、街は「ダディブラ」と呼ばれていたそうです。
その後、再びビザンツに取り戻されましたが、13世紀初頭に周辺に勢力をのばしていたトルコ系ジャンダルオウル家に支配されました。ジャンダルオウル家はセルジューク朝、その後イルハンル家に属していましたが、15世紀初頭に一時独立したこともあります。サフランボルには、この時代に建てられたエスキ・ジャーミィ(モスク)、スレイマンパシャ神学校、エスキ・ハマム(公衆浴場)が残っています。こ
このころからオスマン帝国時代にかけて、サフランボルは「タラックル・ボルル」という名前でしたが、18世紀以降は「ザーフェラン・ボルル」、後に「ザーフィランボル」と呼ばれるようになり、現在のサフランボルという名になりました。
20世紀になって技術発展や経済構造が変化したことにより、主要産業が後退して経済的に衰退したサフランボルですが、1975年以降に始まった伝統的な街並みの保存運動が推進され、古い民家の一部を博物館やペンション、ホテル、レストランとして修復して観光客を誘致した結果、今では世界遺産の街として多くの旅行客が訪れるようになりました。
サフランボルでは時代をさかのぼり、伝統的な建造物が並ぶトルコで最も美しい“旧世界”のスタイルを楽しむことができます。サフランボルは昔ながらの家並みで知られ、その珍しい建築デザインと建造物はトルコでも他に例を見ないものです。サフランボル市街は文化的価値が評価され、1994年にユネスコ世界遺産に登録されました。
サフランボルの古い家屋のいくつかは観光客が内部を見学できるようになっており、改装されてホテルやレストランとして営業されているものもあります。
特にカイマカムラールハウス、アイグロールハウスは興味深く、アスマズラール・ハウスル・コナックは修復後にトルコ・ツーリング・オートモービル・クラブによってホテルとして運営されています。また、メクテプチレルハウスやハジュ・メミシュレールハウスも見逃せません。パシャハウスも修復され、カフェとペンションに生まれ変わっています。
目次
サフランボルのおすすめ観光スポット9選
サフランボルはオスマン帝国時代の伝統的な家屋以外にも、17~19世紀ごろの歴史的価値の高い建造物が数多く見られる人気の観光地です。丘の上の城からは美しい町並みが見下ろせます。
ジンジ・ハン(隊商宿)とハマム(トルコ式風呂)、イゼットメフメットパシャモスクと図書館、キョプリュリュモスクも見どころです。また、ダーデレンモスク、カチャックモスクなども一見の価値があります。
サフランボルを発つ前に、職人の技を見ながら買い物ができるアラスタ・バザール(旧市場)にもぜひ立ち寄ってください。
カイマカムラル・エヴィ
「カイマカムラル・エヴィ(Kaymakamlar Evi)」は、オスマン帝国時代の19世紀はじめに建てられた伝統的な古民家で、サフランボルの必見観光スポットの一つです。かつてサフランボルで軍の司令官だったメフメト・エフェンディの邸宅の内部を博物館として公開しています。
オスマン帝国623年の歩みを全解説!世界を揺るがせた大帝国の繁栄と滅亡
オスマン様式の建物は、1階が馬小屋と玄関、2階と3階が居住空間になっています。室内は歴史を感じる内装で、昔の家具や生活用品があるほか、当時の生活の様子を再現した人形も置かれており、リアリティのある展示を楽しめます。
室内で特に注目していただきたいのが、男性専用の空間(セラムルク)と、女性専用の空間(ハレム)に分かれていること。オスマン帝国時代、厳格なイスラム教徒の家庭では、男性と女性の生活スペースを別にしていたのです。室内で女性と男性が直接顔を合わせないようにするために、回転棚(ドンメ・ドラップ)を使って食事や飲み物を渡すといった工夫がなされていました。
名称 | カイマカムラル・エヴィ(Kaymakamlar Gezi Evi) |
住所 | Musalla, Hıdırlık Sk. no:6, 78600 Safranbolu/Karabük, トルコ |
営業時間 | 9:00~17:30 |
ハヴズル・アスマズラルの邸宅
ハヴズル・アスマズラルの邸宅は、19世紀に建てられた建物です。保存のために修復された後、ブティックホテルとして営業しています。名前の「ハヴズル」とは貯水槽の意味で、実際に建物の1階にある部屋の中央には、涼感の演出や防火のためと思われる貯水槽が置かれています。
名称 | ハヴズル・アスマズラルの邸宅(Havuzlu Asmazlar Konağı) |
住所 | Hacıhalil, Beybağı Sk. No:18, 78600 Safranbolu/Karabük, トルコ |
公式サイト | https://havuzluasmazlar.com/en/ |
イゼット・メフメト・パシャモスク
イゼット・メフメト・パシャモスクは、サフランボル出身であったオスマン帝国宰相イゼット・メフメト・パシャが建てたモスクです。内部には、豪華な造りのミフラーブ(聖地メッカの方角を示す壁龕)や、皇帝セリム3世の署名が記されたミンバル(説教壇)があります。敷地内には1本のミナレットがあり、図書館と噴水も設けられています。モスクとは?世界の美しいモスク15選と日本の2大モスクを紹介!
サフランボル歴史博物館
小高い丘の上に建つサフランボル歴史博物館では、サフランボルの歴史にまつわるパネルや写真、オスマン帝国時代の衣装や家具、生活用品などが展示されています。地下には、伝統工芸の職人の作業風景を人形で再現した展示も見られます。この建物は、1904年に建てられた政府庁舎を改装したものです。
名称 | サフランボル歴史博物館 |
住所 | Çeşme, Kale Altı Sk. No:19, 78600 Safranbolu/Karabük, トルコ |
営業時間 | 9:00~17:30 |
フドゥルルックの丘
「フドゥルルックの丘(Hıdırlık Tepesi)」は、旧市街の南側の急な坂道を登った先にある公園です。世界遺産のサフランボル市街を一望できる絶景スポットとして人気で、近くにカフェもあるので休憩するのにも適しています。さらに上に登ると、19世紀に建てられたハッサンパシャ廟があります。ジンジ・ハン
ジンジ・ハンは、1640年代にジンジ・ホジャによって建てられた隊商宿です。頑丈な石造りの2階建ての建物で、盗賊などから旅人を守るために、入り口の扉と鍵は重厚な鉄製になっています。現在は1階がレストラン、2階がホテルとして営業しており、1階には当時の様子を再現した展示も見られます。ジンジ・ハマム
ジンジ・ハマムはジンジ・ハンと同様、ジンジ・ホジャによって1645年に建てられたハマムです。ハマムとは、温かい蒸気に満たされた空間で心身をリフレッシュするトルコの伝統的な蒸し風呂のようなものです。現在も営業しており、地元の人や観光客が利用しています。トルコの風呂(ハマム)事情とは?旅行者に人気のハマム入浴方法&おすすめグッズ
アラスタバザール
「アラスタ・バザール(Arasta Çarşısı)」は、旧市街の中心にある、17世紀より続く歴史ある市場です。繊細な細工が施された手編みレースのクロスやスカーフ、可愛らしい刺繍のバッグなどの他、木彫りのキャンドルスタンドや手鏡などの手工芸品、サフランボル名物のロクムなどが売られており、お土産を買うのにおすすめです。
可愛らしい雰囲気のバザールで、カフェなどもあるため、特にショッピングをしなくても、職人の仕事風景を見ながらのんびり散策するだけでも楽しめます。
トルコ旅行でおすすめのお土産ランキングBEST25!雑貨・お菓子・化粧品
インジェカヤ水道橋
インジェカヤ水道橋は、オスマン帝国宰相のイゼット・メフメト・パシャによって、18世紀に建設された水道橋です。サフランボルから北に7kmほど行ったところにあるトカトル渓谷に架かっています。橋の高さは地上60m、長さ116m、幅110~220cmで、6つのアーチによって水路が支えられています。この水道橋からサフランボルのバーラル地区にある邸宅の貯水槽に送られた水が、市街に供給されていました。また、トカトル渓谷には、高さ80mの渓谷に突き出した半透明の床から、真下に広がる渓谷の絶景を見られる「クリスタルテラス」というアトラクションがあります。
サフランボルの場所・アクセス
サフランボルはトルコの首都アンカラから北に200kmほどの場所に位置しています。サフランボルへのアクセス手段は陸路のみで、アンカラからは車で約2時間30分、イスタンブールからは車で約5時間30分です。主要都市からはバスも出ており、イスタンブールからは夜行バスもあります。
アンカラからは日帰りでサフランボル旅行に行くことも可能ですが、この街ならではの伝統的な家屋を改装したホテルに宿泊して、世界遺産の街並みをゆっくり観光するのもおすすめです。
サフランボルの気候と観光のベストシーズン
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均気温(℃) | 0.8 | 2.4 | 5.7 | 10.3 | 14.9 | 18.5 | 21.3 | 21.8 | 17.8 | 12.7 | 7.1 | 2.3 |
平均最高気温(℃) | 5.3 | 7.4 | 11.1 | 16 | 20.1 | 23.5 | 26.6 | 27.7 | 23.7 | 18.2 | 12.9 | 7.3 |
平均最低気温(℃) | -3.2 | -2.2 | 0.3 | 4.1 | 8.8 | 12.9 | 15.5 | 16.3 | 12.3 | 7.6 | 2 | -1.8 |
黒海地方の内陸寄りに位置するサフランボルの気候は、温暖湿潤気候と大陸性気候の中間的な特徴を持ちます。最も多くの観光客が訪れる7月と8月の夏季は暑くなりますが、高台に位置するバーラル地区は高原のような気候で比較的涼しく過ごせます。12月以降の寒い冬には雪が降ることもあります。
観光するなら、気候が穏やかな5~6月、夏の暑さが和らぐ9月がおすすめです。
トルコの気候と旅行のベストシーズンは?季節別の気温・天気とおすすめの服装
サフランボルで買いたいおすすめのお土産
サフランボル・ロクム
ロクムは、和菓子のゆべしや求肥のようなモッチリとした食感が特徴の、トルコの伝統的なスイーツです。ターキッシュデライトの名でも知られています。
トルコではさまざまな種類のロクムがありますが、サフランボルのロクムは特に有名なご当地ロクムの一つ。サフランボルの特産品であったサフランとヘーゼルナッツが使われ、外側にココナッツをまぶした一品です。通常のロクムより甘さ控えめで柔らかく、食べやすいのが特徴です。
ターキッシュデライト(ロクム)は魔法のお菓子?映画で有名なトルコ伝統名物
サフラン
サフランボルという名前は19世紀にこの地域に点在していたサフラン畑に由来しています。今日では、サフラン畑はサフランボルから20kmのデウトバス村に移動して伝統を引き継いでいます。
現在でもサフランは名物の一つであり、サフラン入りハチミツやサフラン石けんなどもお土産として売られています。
サフランは世界一高価なスパイス!驚きの効果やおすすめレシピと使い方
伝統的な手工芸品
サフランボルは昔から手工芸が盛んであったことから、木工品や手編みレースの製品を売っているお店が多く見られます。木製のおもちゃやテーブルクロス、サシェ(匂い袋)がお土産として人気です。また、地元の鍛冶職人が作った食器などの銅製品もサフランボルの特産品の一つです。
サフランボルの歴史
サフランボルは旧石器時代より人々が定住していました。ペルシャ時代、ギリシャ時代を経て、ローマ・ビザンツ時代には人口も増えました。サフランボルの街にはローマ・ビザンツ時代の遺跡はありませんが、周辺には古墳、岩窟墓、レリーフなどがあるほか、サフランボルの南にあるスィパヒレル村にはローマ神殿の遺跡が残っています。
トルコ人がアナトリア(現在のトルコ)を支配するようになった後、サフランボルは12世紀初頭のダニシュメント家時代に、カスタモヌ県の一部としてトルコ人の手に落ちました。ちなみに、トルコ人がこの地に来る前まで、街は「ダディブラ」と呼ばれていたそうです。
その後、再びビザンツに取り戻されましたが、13世紀初頭に周辺に勢力をのばしていたトルコ系ジャンダルオウル家に支配されました。ジャンダルオウル家はセルジューク朝、その後イルハンル家に属していましたが、15世紀初頭に一時独立したこともあります。サフランボルには、この時代に建てられたエスキ・ジャーミィ(モスク)、スレイマンパシャ神学校、エスキ・ハマム(公衆浴場)が残っています。こ
このころからオスマン帝国時代にかけて、サフランボルは「タラックル・ボルル」という名前でしたが、18世紀以降は「ザーフェラン・ボルル」、後に「ザーフィランボル」と呼ばれるようになり、現在のサフランボルという名になりました。
20世紀になって技術発展や経済構造が変化したことにより、主要産業が後退して経済的に衰退したサフランボルですが、1975年以降に始まった伝統的な街並みの保存運動が推進され、古い民家の一部を博物館やペンション、ホテル、レストランとして修復して観光客を誘致した結果、今では世界遺産の街として多くの旅行客が訪れるようになりました。