トルコ料理
ドルマ(Dolma):ミディエ・ドルマ、ドマテス・ドルマなど
代表的なトルコ料理のひとつ「ドルマ(Dolma)」。ドルマは詰め物料理を意味し、野菜の中身をくり抜き具を詰めた料理全般を指します。
作るのに一手間かかりますが、赤や緑や紫のカラフルな野菜のドルマは食卓に並んだだけで一気に華やかになり、形も可愛く存在感のある立派な家庭料理で、お客様のおもてなし料理としても大人気です。
ここでは、ドルマ料理の種類や歴史、家でも簡単に作れるおすすめレシピなどをご紹介します。
ドルマは、主にピーマン、トマト、ナス、キャベツ、ズッキーニ、ブドウの葉などの野菜に、お米や挽肉に玉ねぎといった具材を詰めて作るトルコの伝統的な家庭料理です。包むものによって料理名は変わります。種類も豊富でボリュームもあるので、前菜だけでなくメインとして食べられることも。
ドルマには、挽肉を主体とする具をバターで調理して詰める温かいドルマと、挽肉は使わないでお米を主体とする具に干しブドウやシナモン等甘めのスパイスを効かせてオリーブオイルで調理して詰める冷たいドルマがあります。
いずれもお米は必需品。エーゲ海地方などのトルコ西方ではオリーブオイルを使った冷製、内陸や東部アナトリアではひき肉を使った温かいドルマが好まれて作られます。ちなみに、温かいドルマにはヨーグルトを添えて一緒に食べるのがポピュラーです。
トルコはヨーグルト発祥の国&消費量も世界一!料理や飲み物、ソースなど多彩
なお、ぶどうの葉や野菜の葉で巻いたドルマは、「巻く、包む」を意味する“サルマ(Sarma)”と呼んで区別することもあります。
ドルマは、オスマン帝国のトプカプ宮殿料理として知られていますが、それ以前から何世紀にもわたり中近東地域で作られてきた料理であり、ドルマの起源はアラビア料理の中にあると考えられています。
三大陸に広がるオスマン帝国のトプカプ宮殿から生まれた世界三大料理のトルコ料理
一方、サルマ料理はオスマン帝国発祥であり、帝国領土全地域で作られていました。オスマン宮廷料理では、野菜だけでなくリンゴやマルメロなどのフルーツを使ったドルマも好まれ、ポピュラーでした。
ちなみに、トルコと関係性の深いアゼルバイジャンでは、2017年に「ドルマ作りと共有の伝統」がユネスコ世界遺産に登録されています。
Dolma making and sharing tradition, a marker of cultural identity
ドルマ料理の中でも、キャベツや葡萄の葉でピラフを巻いたオスマン帝国発祥の料理は「サルマ(sarma:巻く・包むの意)」と呼ばれます。このうち、キャベツで具材を巻いた料理を“ラハナ・サルマス”と言いますが、ラハナ=キャベツですので、そのまま“キャベツ・ロール”となります。
ドルマ料理はオスマン帝国領土の拡大により広まり、帝国領土だった国々はもちろん、帝国の影響を受けたロシアやヨーロッパの国々へも15~16世紀頃に伝わりました。そして、ヨーロッパでは葡萄の葉よりも馴染みがあり、古くから栽培されていたキャベツの葉のドルマ“ラハナ・サルマス”がよく作られるようになり、それがロールキャベツになったと考えられています。
キャベツのドルマは、形や味にアレンジ加わりながら、その後ヨーロッパからの移民によりアメリカなどにも伝わり、現在世界中で食べられ、世界で一番有名なドルマ料理となったのです。
元オスマン帝国領の東欧や中近東などではピラフ入りのロールキャベツが一般的ですが、ヨーロッパや他の国々では米なしでブイヨンやトマトスープなので煮込んだものが多くなっています。
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もともと日本にはキャベツが無く、キャベツ自体が日本に入ったのが幕末の1850年代とのことです。しかし当時は外国人用に栽培されていたようで一般人が口にすることはほとんどなく、戦後の食の西洋化に伴って一般に普及するようになりました。ロールキャベツも高度経済成長期と共に一気に洋食の代表となるほど人気になったと言います。
挽肉入りの温かい野菜のドルマ「Etli Sebze Dolması(エトゥリ セブゼ ドルマス)」の作り方をご紹介いたします。
<作り方>
トルコでポピュラーな“ヤプラック・サルマ”を作る葡萄の葉は、日本では手に入りにくいので、”ヤプラック・サルマ”と同じくらい人気で日本人にも食べやすい味のキャベツの葉で包む「ラハナ・サルマス」のレシピをご紹介したいと思います!
<材料(5~6人分)>
<作り方>
ミディエ・ドルマは、ムール貝にお米(ピラフ)を詰めたドルマで冷製料理です。ピラフにはムール貝の旨味いっぱいの出汁がしみ込んでいて、レモン汁をかけてさっぱりといただきます。イスタンブールを筆頭に海沿いの町々でよく見かけるストリートフードでもあり、暑い夏は特に冷えた白ワインとの相性が抜群です。
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ヤプラック・ドルマは、ブドウの葉で具を巻いたドルマの王様です。トルコ語でヤプラックは「葉」を意味します。“ヤプラック・サルマ(Yaprak Sarma)”との呼び方もポピュラーで、塩漬けしたブドウの葉でピラフやひき肉に野菜などを包んで煮た料理です。よく煮込まれているので葉も柔らかく、ブドウの葉ごと食べます。酸味もありさっぱりとした味わいです。
フィンガーサイズで煙草のように細く、しっかりと巻けた物ほど美味しい仕上がりとなり、家庭で頻繁に作られ、おもてなし料理としても必ずと言って良いほど作られるポピュラーなドルマでもあります。
ビベル・ドルマは、ピーマンにピラフやお肉などの具を詰めて水やスープでクタクタになるまでじっくり煮た料理です。トルコ語でビベルは「ピーマン」を意味します。見た目は日本でもポピュラーなピーマンの肉詰めにも似ています。ピーマンの程よい苦みと甘みが美味しいドルマです。
ドマテス・ドルマは、トマトの中身をくり抜いて、その中にピラフやお肉などを詰めて水やスープで煮た料理です。トルコ語でドマテスは「トマト」の意味です。煮トマトの酸味が口に広がりさっぱりと美味しい一品です。
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トルコ語でラハナは「キャベツ」の意味で、キャベツの葉にピラフやひき肉などを包んで煮た料理で、いわばトルコ版ロールキャベツです。通常一般的に“ラハナ・サルマ(Lahana Sarma)”とも言い、葡萄の葉のヤプラック・サルマほど細くは巻かずにずっしり太めに巻いたサルマです。
ことこと煮込まれてとろっと甘く柔らかくなったキャベツと中のピラフの相性が抜群な料理です。
トルコ語でパトゥルジャンは「ナス」の意味で、縦切りにしたナスの中身をくり抜いて、その中にピラフやひき肉などを詰めて煮た料理です。くたくたに煮込まれ味が良く染み込んだ茄子が中のピラフの味を引き立てます。日本人にも食べやすい一品です。
“クル(kuru)”=「ドライ、乾燥」の意。乾燥したナスやピーマン等の野菜を熱湯で少し戻し、そこにみじん切りにした玉ねぎ、挽肉、すりおろしたトマト、スパイス、サルチャ(濃縮トマトペースト)と混ぜたお米を入れて、お鍋に並べて炊き上げたガズィアンテップなど東アナトリア地方で良く食べられるドルマです。
ドライ野菜のため、野菜の旨味が濃縮されており、フレッシュ野菜を使ったドルマとはまた違う味わいです。
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ドルマは「ザ・家庭料理」ですので、普通のレストランではまず置いておりません。家庭料理を扱う町中のロカンタと言う食堂形式のお店でドルマを食べることができます。その際は是非、トルコ式にヨーグルトを添えてもらってください。
ドルマとは逆にサルマは、メゼとしても人気の料理ですので、本当に小さなお店やメイハーネ(居酒屋)から少し格式高いレストランまで、料理を提供するあらゆるお店で見つけることができます。
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しかしトルコには、メゼ(前菜)やスープ、ケバブ、ピラウ(ピラフ)といったよく知られている料理だけでなく、今回ご紹介したドルマやサバサンド、タントゥーニ(トルコ風トルティーヤラップ)、ウスラック・バーガーなど、知られざる絶品B級グルメやファーストフードが数多くあります。
近年は世界でも美食の国としての地位を確立しつつトルコ。旅行に行く際は、ぜひグルメ情報もチェックしてください。
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作るのに一手間かかりますが、赤や緑や紫のカラフルな野菜のドルマは食卓に並んだだけで一気に華やかになり、形も可愛く存在感のある立派な家庭料理で、お客様のおもてなし料理としても大人気です。
ここでは、ドルマ料理の種類や歴史、家でも簡単に作れるおすすめレシピなどをご紹介します。
目次
ドルマとは?
ドルマは、主にピーマン、トマト、ナス、キャベツ、ズッキーニ、ブドウの葉などの野菜に、お米や挽肉に玉ねぎといった具材を詰めて作るトルコの伝統的な家庭料理です。包むものによって料理名は変わります。種類も豊富でボリュームもあるので、前菜だけでなくメインとして食べられることも。
ドルマには、挽肉を主体とする具をバターで調理して詰める温かいドルマと、挽肉は使わないでお米を主体とする具に干しブドウやシナモン等甘めのスパイスを効かせてオリーブオイルで調理して詰める冷たいドルマがあります。
いずれもお米は必需品。エーゲ海地方などのトルコ西方ではオリーブオイルを使った冷製、内陸や東部アナトリアではひき肉を使った温かいドルマが好まれて作られます。ちなみに、温かいドルマにはヨーグルトを添えて一緒に食べるのがポピュラーです。
トルコはヨーグルト発祥の国&消費量も世界一!料理や飲み物、ソースなど多彩
なお、ぶどうの葉や野菜の葉で巻いたドルマは、「巻く、包む」を意味する“サルマ(Sarma)”と呼んで区別することもあります。
ドルマの歴史・語源
"ドルマ(Dolma)"の語源は、古いトルコ語で「お腹が満たされること」を意味する“トル(tol)”と言う言葉から来ており、時がたつにつれ“ドルマ(Dolma)”に変換されましたが、元々は昔から"トルマ(tolma)"=「満たされている」と言う意味で使われてきた言葉です。ドルマは、オスマン帝国のトプカプ宮殿料理として知られていますが、それ以前から何世紀にもわたり中近東地域で作られてきた料理であり、ドルマの起源はアラビア料理の中にあると考えられています。
三大陸に広がるオスマン帝国のトプカプ宮殿から生まれた世界三大料理のトルコ料理
一方、サルマ料理はオスマン帝国発祥であり、帝国領土全地域で作られていました。オスマン宮廷料理では、野菜だけでなくリンゴやマルメロなどのフルーツを使ったドルマも好まれ、ポピュラーでした。
ちなみに、トルコと関係性の深いアゼルバイジャンでは、2017年に「ドルマ作りと共有の伝統」がユネスコ世界遺産に登録されています。
Dolma making and sharing tradition, a marker of cultural identity
ロールキャベツの起源はドルマだった!
ロールキャベツは、アメリカでもヨーロッパでもその国々で少し形や味付けが違いますが、世界中で愛されている料理です。日本では洋食の定番になっていますが、実はこのロールキャベツの起源はトルコのドルマなのです。ドルマ料理の中でも、キャベツや葡萄の葉でピラフを巻いたオスマン帝国発祥の料理は「サルマ(sarma:巻く・包むの意)」と呼ばれます。このうち、キャベツで具材を巻いた料理を“ラハナ・サルマス”と言いますが、ラハナ=キャベツですので、そのまま“キャベツ・ロール”となります。
ドルマ料理はオスマン帝国領土の拡大により広まり、帝国領土だった国々はもちろん、帝国の影響を受けたロシアやヨーロッパの国々へも15~16世紀頃に伝わりました。そして、ヨーロッパでは葡萄の葉よりも馴染みがあり、古くから栽培されていたキャベツの葉のドルマ“ラハナ・サルマス”がよく作られるようになり、それがロールキャベツになったと考えられています。
キャベツのドルマは、形や味にアレンジ加わりながら、その後ヨーロッパからの移民によりアメリカなどにも伝わり、現在世界中で食べられ、世界で一番有名なドルマ料理となったのです。
元オスマン帝国領の東欧や中近東などではピラフ入りのロールキャベツが一般的ですが、ヨーロッパや他の国々では米なしでブイヨンやトマトスープなので煮込んだものが多くなっています。
オスマン帝国623年の歩みを全解説!世界を揺るがせた大帝国の繁栄と滅亡
ロールキャベツは日本にいつ伝わったの?
日本でのロールキャベツは、明治時代の1895年に発行されたある雑誌の『今夜のおかず』という欄で“ロールキャベーヂ”という名で紹介されたのが初めてと言われています。もともと日本にはキャベツが無く、キャベツ自体が日本に入ったのが幕末の1850年代とのことです。しかし当時は外国人用に栽培されていたようで一般人が口にすることはほとんどなく、戦後の食の西洋化に伴って一般に普及するようになりました。ロールキャベツも高度経済成長期と共に一気に洋食の代表となるほど人気になったと言います。
自宅でも簡単にできる!本場トルコのドルマのレシピ
トルコのドルマは、日本で手に入る食材でも簡単に作れてしまいます!ドルマは美味しく存在感のある料理ですので、普段の主食としてはもちろん、多めに作って作り置きするのもいいですし、色彩豊かで見た目も可愛いらしいのでパーティー料理としてもおススメです!
野菜ゴロゴロ!基本のドルマの作り方
挽肉入りの温かい野菜のドルマ「Etli Sebze Dolması(エトゥリ セブゼ ドルマス)」の作り方をご紹介いたします。
-
<材料(6人分)※トルコ人の分量ですので多めです。>
- 茄子:太めの物2本
- ズッキーニ:太めの物2本
- トマト:大きめ1個
- ピーマン:大きめ4個
- パプリカ:大きめ4個
- 牛挽き肉:300グラム
- お米:1カップ(約150~180グラム)
- 玉ねぎ:大きめ3個
- トマトペースト:大さじ1
- トマト(中身のみ):1個
- イタリアンパセリ(orパセリ):1パケット(5本位)
- 塩:小さじ2
- オールスパイス:小さじ1
- 胡椒:小さじ1
- オリーブオイル:大さじ2
- バター:大さじ1(約12グラム)
- トマトペースト:大さじ1
- ニンニク:3~4片
- お湯:0.5カップ
「中身」
「煮込みソース用」
<作り方>
- ①まず、お米を洗い30分ほど水(常温か少し温か目)に浸しておきます。
- ②茄子とズッキーニのヘタとおしり部分を切り落とし、茄子はしま状に数か所ピーラーで皮を剥きます。半分に切り、器になる様に中をくりぬきます。
- ③ピーマンとパプリカの上のヘタの部分を切り落とし、中の種を取り除きます。
- ④トマトもヘタ部分を切り落とし、中をスプーンでくりぬきます。くりぬいた中身は、みじん切りにして⑥で使います。
- ⑤トマトの中の部分はみじん切りにし、皮部分はドルマの蓋として使うので2㎝角に切っておきます。玉ねぎ、イタリアンパセリもみじん切りにしてください。
- ⑥「中身」の材料を全てボウルに入れて良く混ぜ合わせます。スパイスやハーブの量はお好みで調整可能です。ただ、記載分量より少なすぎると味が出なくなりますので、ちょっと多目がおススメです。
- ⑦用意した②~④の野菜の中に少し塩を振り、野菜の中に上が少し空く位の8分目位の量の具を詰めます。ここで満タンに詰めると煮込んだ時にお米が膨れて野菜の器が破裂してしまいますので詰めすぎず、必ず上は少し空けて下さい。⑤で切っておいたトマトの皮を蓋代わりにドルマの上に乗せます。
- ⑧広めの鍋の中にドルマを並べ入れ、ドルマの半分浸るくらい(約1カップ)水を注ぎます。
- ⑨お湯0.5カップに[ソース用]バターとサルチャ(又はトマトペースト)を溶かし、ドルマの上から回しかけます。ニンニクもみじん切りにしてソースの中に投入して下さい。
- ⑩鍋に蓋をし、沸騰するまで強火で、その後は弱火で30分程煮込みます。その際、水分が足りないようでしたら半カップ位お湯を足してください。フォークで確認し中身が煮えきったらできあがりです!
お皿に盛ったらパセリやディルのみじん切りを散ら、お好みで水切りヨーグルトを添えて頂きます。水切りヨーグルトはおろしニンニクを入れるとより一層美味しくなります!
トルコのロールキャベツ(ラハナ・サルマス)の作り方
トルコでポピュラーな“ヤプラック・サルマ”を作る葡萄の葉は、日本では手に入りにくいので、”ヤプラック・サルマ”と同じくらい人気で日本人にも食べやすい味のキャベツの葉で包む「ラハナ・サルマス」のレシピをご紹介したいと思います!
<材料(5~6人分)>
- キャベツの葉:大きめ30枚くらい
- 牛挽き肉:300~350グラム
- お米:1カップ(約150~180グラム)
- 玉ねぎ:3個
- トマト:3個
- イタリアンパセリ(orパセリ):1パケット(5本位)
- トマトペースト:大さじ1
- 塩:小さじ2
- 胡椒:小さじ1
- オリーブオイル:大さじ3
- レモン汁:大さじ3~3.5杯
- トマトペースト:大さじ2
- バター:大さじ1
- ニンニク:8片
- 塩:小さじ1
- お湯:1カップ
「中身」
「煮込みソース用」
<作り方>
- ①キャベツの葉を破れない様に一枚一枚はぎ、芯を切り取ります。
- ②大き目の鍋にお湯を沸かし、キャベツが柔らかく透明感が出るまで約7~8分茹で、その後お湯を切り、冷まします。
- ③「中身」の玉ねぎをみじん切りに、トマトは皮を剥いてみじん切りに、お米は洗い、イタリアンパセリもみじん切りにします。
- ④まず、みじん切りにした玉ねぎとイタリアンパセリとトマトに塩と胡椒と加えて混ぜ、そこにひき肉とお米とオリーブオイルを加えてよく捏ね合わせます。
- ⑤茹でて冷ました①のキャベツの葉を、大きい物は葉巻大に巻けるくらいの大きさに切り、中に④の中身を入れて葉が破れない様に巻きます。日本の俵方のロールキャベツのイメージは捨てて、“葉巻大”をイメージしてください。
- ⑥「煮込みソース用」のニンニクとドライミント以外の材料をお湯に入れて混ぜ合わせます。
- ⑦お鍋に⑤のドルマを崩れない様にきれいに並べ入れて、ドルマの上1.5㎝位空けて浸るくらいお湯を注ぎ(約1カップ)、ニンニクを散りばめ、⑥のソースをドルマの上から回しかけます。蓋をして強火で沸騰させ、沸騰したら弱火で40分程煮込みます。
- ⑧フォークで刺して中のお米によく火が通っていれば完成です。
ドルマ料理のバリエーション7選
ミディエ・ドルマ(Midye Dolma)
ミディエ・ドルマは、ムール貝にお米(ピラフ)を詰めたドルマで冷製料理です。ピラフにはムール貝の旨味いっぱいの出汁がしみ込んでいて、レモン汁をかけてさっぱりといただきます。イスタンブールを筆頭に海沿いの町々でよく見かけるストリートフードでもあり、暑い夏は特に冷えた白ワインとの相性が抜群です。
ピラフは世界三大米料理の一つ!歴史やおすすめ料理・レシピを解説
ヤプラック・ドルマ(Yaprak Dolma)
ヤプラック・ドルマは、ブドウの葉で具を巻いたドルマの王様です。トルコ語でヤプラックは「葉」を意味します。“ヤプラック・サルマ(Yaprak Sarma)”との呼び方もポピュラーで、塩漬けしたブドウの葉でピラフやひき肉に野菜などを包んで煮た料理です。よく煮込まれているので葉も柔らかく、ブドウの葉ごと食べます。酸味もありさっぱりとした味わいです。
フィンガーサイズで煙草のように細く、しっかりと巻けた物ほど美味しい仕上がりとなり、家庭で頻繁に作られ、おもてなし料理としても必ずと言って良いほど作られるポピュラーなドルマでもあります。
ビベル・ドルマ(Biber Dolma)
ビベル・ドルマは、ピーマンにピラフやお肉などの具を詰めて水やスープでクタクタになるまでじっくり煮た料理です。トルコ語でビベルは「ピーマン」を意味します。見た目は日本でもポピュラーなピーマンの肉詰めにも似ています。ピーマンの程よい苦みと甘みが美味しいドルマです。
ドマテス・ドルマ(Domates Dolma)
ドマテス・ドルマは、トマトの中身をくり抜いて、その中にピラフやお肉などを詰めて水やスープで煮た料理です。トルコ語でドマテスは「トマト」の意味です。煮トマトの酸味が口に広がりさっぱりと美味しい一品です。
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ラハナ・ドルマ(Lahana Dolma)
トルコ語でラハナは「キャベツ」の意味で、キャベツの葉にピラフやひき肉などを包んで煮た料理で、いわばトルコ版ロールキャベツです。通常一般的に“ラハナ・サルマ(Lahana Sarma)”とも言い、葡萄の葉のヤプラック・サルマほど細くは巻かずにずっしり太めに巻いたサルマです。
ことこと煮込まれてとろっと甘く柔らかくなったキャベツと中のピラフの相性が抜群な料理です。
パトゥルジャン・ドルマ(Patlican Dolma)
トルコ語でパトゥルジャンは「ナス」の意味で、縦切りにしたナスの中身をくり抜いて、その中にピラフやひき肉などを詰めて煮た料理です。くたくたに煮込まれ味が良く染み込んだ茄子が中のピラフの味を引き立てます。日本人にも食べやすい一品です。
クル・ドルマ(Kuru Dolma)
“クル(kuru)”=「ドライ、乾燥」の意。乾燥したナスやピーマン等の野菜を熱湯で少し戻し、そこにみじん切りにした玉ねぎ、挽肉、すりおろしたトマト、スパイス、サルチャ(濃縮トマトペースト)と混ぜたお米を入れて、お鍋に並べて炊き上げたガズィアンテップなど東アナトリア地方で良く食べられるドルマです。
ドライ野菜のため、野菜の旨味が濃縮されており、フレッシュ野菜を使ったドルマとはまた違う味わいです。
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トルコのドルマはどこで食べられる?
ドルマは「ザ・家庭料理」ですので、普通のレストランではまず置いておりません。家庭料理を扱う町中のロカンタと言う食堂形式のお店でドルマを食べることができます。その際は是非、トルコ式にヨーグルトを添えてもらってください。
ドルマとは逆にサルマは、メゼとしても人気の料理ですので、本当に小さなお店やメイハーネ(居酒屋)から少し格式高いレストランまで、料理を提供するあらゆるお店で見つけることができます。
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トルコに行ったらドルマなどの家庭料理もぜひ食べてみて!
オスマン帝国の宮廷料理から飛躍的な発展を遂げたトルコ料理は、その長い歴史と豊富な食材を使った幅広い料理によって、フランス料理・中華料理と並んで世界三大料理の一つに数えられています。しかしトルコには、メゼ(前菜)やスープ、ケバブ、ピラウ(ピラフ)といったよく知られている料理だけでなく、今回ご紹介したドルマやサバサンド、タントゥーニ(トルコ風トルティーヤラップ)、ウスラック・バーガーなど、知られざる絶品B級グルメやファーストフードが数多くあります。
近年は世界でも美食の国としての地位を確立しつつトルコ。旅行に行く際は、ぜひグルメ情報もチェックしてください。
世界三大料理は、なぜフランス料理・中華料理・トルコ料理なの?歴史と特徴を解説 | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』