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【吟遊詩人ホメロス】「イーリアス」と「オデュッセイア」の生みの親 (土:Homeros、英:Homer)


皆さんご存じの『イーリアス』と『オデュッセイア』の生みの親ホメロスは、紀元前850年頃にトルコのスミルナ(現イズミル)に住んでいた吟遊詩人です。出生地は、スミルナともキオス島ともコロフォン(現イズミル南のデーイルメンデレ)とも言われていますが、彼の生涯について詳しいことは明確に解っておりません。

ホメロスは、古代ギリシャ語で「盲目」を意味し、イオニア地方を吟遊していた盲目の詩人であったと言われています。

ヘロドトスの『ホメロス伝』によるホメロスの生涯

ギリシャ神話
歴史の父と言われるハリカルナッソス(現ボドルム)出身のヘロドトスが書いた『ホメロス伝』ではホメロスの生い立ちをこのように記しています。

アイオリスのキュメ出身の母クレテイスが臨月であった時、祭り見物の為にメレス川(スミルナのすぐ傍の川)の近くに来ていた際に、そこで出産してしまいます。そして生まれた子の名をメレスの子と言う意味の”メレシネゲス”と付けました。これが、後のホメロスです。

メレシネゲスはスミルナで教育を受けながら育ち、賢く才能のあった彼は成人し学塾の教師となります。その後、商業都市であったスミルナを訪れていたメンテスと言う船主に誘われ船旅へ出たのですが、この航海で訪れた場所の風物を見聞し、様々なことを書き留めていたと言います。

エトルリアとイペリアからの帰路、ギリシャのイタケ(イタキ島)に立ち寄り、ここで目を患ってしまうのです。しかし目を患いながらも、ここでオデュッセウスに関する多くの伝承を聞き知ることが出来ました。

その後スミルナの南のコロフォンに着いたとき、眼病が再発して盲目となってしまいました。

コロフォンからスミルナに帰ってからは、詩作りに専念するようになり、その後スミルナの北方のキュメ(イズミル県アリア―)へ移り住み、そこで年寄りの集まりを見つけて自作の詩を朗誦するうちに、聴衆一同は感服しメレシネゲスを慕う様になりました。

このキュメの街でメレシネゲスはキュメ方言で盲目を意味するホメロスと呼ばれるようになり、これが彼の通称となったのです。

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イズミル
その後、ホメロスはポカイア(現イズミル県フォチャ)へ。ここでテストリデスと言う男が、ホメロスの詩に目を付け、身の回りの世話をする代わりにホメロスが作った詩を書写させろと言う条件を出し、ホメロスはこれを承諾します。

ホメロスは『小イリアス』や『ポカイアの歌』などの詩作をし、それをテストリデスが書写するのですが、テストリデスはホメロスの詩を自作として売り込もうとキオスへ行き、そこで大儲けをするのです。

キオスからポカイアへ来た商人から、テストリデスがキオスでホメロスの詩を自作と称して大儲けしていることを聞いたホメロスは何としてでもキオスに行こうとします。

そしてキオス島に渡り、その後そこに住み着いたホメロスは妻子を持ち、そこで『イーリアス』や『オデュッセイア』など数々の詩作を行い、イオニア全土だけでなくヘラス(ギリシャ本土)迄、彼の評判が広まりました。

ホメロスは一度サモス島へ渡り、そこからアテナイへ渡ろうとし、途中のイオス島にたどり着くのですが、そこでホメロスの具合が悪くなり、病の為イオス島で亡くなったと言う事です。

二大英雄叙事詩『イーリアス』と『オデュッセイア』

イーリアス
ホメロスの作品である『イーリアス』と『オデュッセイア』はギリシャ文学の基礎となりました。古典時代のギリシャ文学とギリシャ神話に大きな影響を与え、それらを通してその後の西洋文学にも影響を及ぼしました。
なお、古代アナトリアとギリシャの人々は、誰もがこの二つの叙事詩を必須の教養として知っており、生きた百科事典のように基礎知識として持っていたと言います。すべての軍事、医学、技術、法律、および宗教的知識の源がこの二つの叙事詩でありました。

 
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『イーリアス』10年間のトロイア戦争の叙事詩

トロイア戦争
この叙事詩は、ギリシャとトロイの間に起こった10年間に及ぶトロイア戦争の9年目の51日間、アキレウスの怒りから始まりイーリオス(トロイア)の王子ヘクトールの葬儀までを描いた叙事詩です。
あの有名なトロイ戦争を勝利に導いた”トロイの木馬”の話も含まれています。因みに、このトロイの木馬を立案しトロイ城内に忍ばせたのは、ホメロスのもう一つの大叙事詩『オデュッセイア』の主人公オデュッセウスです。また、オデュッセウス本人も木馬内に乗り込んでいました。

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シュリーマンとトロイ遺跡

トロイ遺跡
『イーリアス』のトロイア戦争の舞台は、トルコ北西部のチャナッカレ県にあるトロイです。
トロイ遺跡を発掘したシュリーマンは、幼少時にこの『イーリアス』を読んで感動し、伝説の都市トロイの実在を信じてトロイ遺跡を掘り当てました。

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『オデュッセイア』ギリシャの英雄オデュッセウスの漂流の叙事詩

ホメロス
もう一つの英雄叙事詩『オデュッセイア』は、ギリシャの英雄でイタケの王オデュッセウスがトロイ戦争勝利後に、故郷のイタケ(ギリシャのイタキ島)に戻るまでの10年間の困難に満ちた漂流と冒険の帰路の旅が主体となり、息子のテレマコスが父オデュッセウスを探す旅や、オデュッセウス不在中に妻ペネロペへ遺産目当てで求婚した40人の男たちへの報復の話が語られています。

余談ですが、『オデュッセイア』でオュデッセウスに手助けをするスケリア島(現ケルキラ島)の王女ナウシカ―と言う人物がいます、そう皆さんご存じの「風の谷のナウシカ」の主人公ナウシカの名は、『オデュッセイア』の登場人物が由来となっているのです。

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