トルコのお酒・飲み物
ラク(RAKI)とは?トルコの最もポピュラーなお酒の特徴や歴史、飲み方を解説
トルコで最もポピュラーでトルコならではのお酒、それが「RAKI(ラク)」。ラク自体は無色透明で、水を注ぐと白濁する不思議なお酒です。
ラクはブドウからできており、アニスというセリ科のハーブ(トルコを含む東地中海地域原産。古くから薬草や香料として使われてきた)の種から香り付けされたアルコール40度以上の蒸留酒。
アニスの癖のある独特な香りが口の中に広がりほんのり甘みとコクを感じ、慣れると癖になるお酒です。
通常は水割りで飲みます。トルコでは細長い小さなラク用のグラスがあり、それが二つ用意されます。一つは水割りラク用、もう一つは冷水用のグラスです。水割りでも強いお酒ですので、水割りラクを飲みながら、さらに水も飲んで緩和します。
ラクの水割りの作り方は、まずグラスにラクを注ぎます。その際の分量ですが、TEK(テク)=1ショット(ラクグラスの4分の1)またはDUBLE(ドゥブレ)=ダブルショット(ラクグラスの約2分の1)で濃さを調節します。
TEKかDUBLEで入れたラクの上に冷水を注ぎ、最後に氷を1~2個入れれば美味しい水割りラクの完成です。
ラクのアルコール分量は、TEK(テク)で“グラスワイン1杯”または“ビール330ml”相当と言われておりますので、飲みすぎにはご注意を!
何故ライオンかというと、オスマン帝国時代にメイハーネ(トルコの居酒屋)に運ばれるラクの樽にライオンのマークが描かれていたことから、また飲むと段々とライオンのように強くなれるからだとも言われています。
ラク自体独特の香りがありますが、それがまたトルコの美味しいメゼ(前菜)や、魚料理、ケバブ料理と相性抜群で、ラクも食事もいくらでも行けてしまうから不思議です。
果物とも良く合い、夏場でしたらメロンとフェタチーズをあてに飲むのも定番です。
ラクは一人酒や昼間からただ飲むのではなく、太陽が沈む頃、美味しい前菜や魚料理・ケバブ料理を親しい友人や家族と囲み、ゆっくりと話を楽しみながら飲むのが粋です。
【トルコの前菜(メゼ)】世界三大料理のトルコ料理を徹底解説! | トルコ旅行・ツアー・観光なら、安心の『ターキッシュエア&トラベル』におまかせ!
元々メイハーネ文化はビザンツ帝国の時からオスマン帝国へと引き継がれ、オスマン帝国がイスタンブールを征服してからは、ガラタ地区にメイハーネが栄えたとの事です。
現在はベイオール地区やカラキョイ地区でメイハーネを楽しむことができます。
トルコ料理おすすめランキングBEST20!ケバブだけじゃない絶品グルメを紹介 | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』
ちなみに、トルコにおける国民的ドリンクとしては、他にチャイ(紅茶)やアイラン(ヨーグルトドリンク)も挙げられます。
トルコの紅茶「トルコ チャイ」とは?独特の淹れ方や飲み方、歴史、効能を解説
トルコはヨーグルト発祥の国&消費量も世界一!料理や飲み物、ソースなど多彩
アナトリアにおいて「RAKI(ラク)」の名で記載されている最古の文献には、14世紀にトルコ黒海地方のTRABZON(トラブゾン)周辺で製造・商業取引されていると書かれているとのこと。
ラクの商業取引に関して書かれた2番目に古い文献は、1520年のオスマン帝国の税法で、ここでもトラブゾンが、ラクが製造されてその他の地域に運搬されている地として記されているそうです。
オスマン帝国末期には非イスラム教徒達により、帝国領土内でラクが製造され始め、徐々に帝国全土で飲まれるお酒となりました。19世紀に入りオスマン帝国下で非イスラム教徒の人たちが経営していたメイハーネ(トルコの居酒屋)で飲まれる最もポピュラーなお酒となったとのことです。
なお、現在ではラクがオスマン帝国領内で作られたのが常識となっており、その名残として、元帝国領土であったギリシャでは「OUZO(ウゾ)」、バルカン半島でも「MASTIKA(マスティカ)」という名でラクは現在でも愛飲されています。
ちなみに、ラクはトルコ共和国初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルク(大変お酒が好きだったそうです)が愛飲していたことでも知られています。
ムスタファ・ケマル・アタテュルク|トルコ建国の父の歴史と偉業
アニス以外のハーブやフレーバーを加えず、砂糖の含有量が少ないことが、その他のアニスリキュールとの違いです。
ちなみにトルコは世界的なブドウの名産地で、ワインの生産国としても有名です。ワインはトルコで古代から作られており、ラクはワイン作りの過程で派生したという説があります。
トルコワインは唯一無二の味わい!特徴や産地、品種、おすすめをご紹介
ウゾの原型となったツィプロやラキアは現在でも周辺地域で飲まれています。
大きさは350ml、500ml、700ml、1000mlとあり、昔から親しまれているメーカーはALTINBAŞ, KULUP RAKI等で、現在ポピュラーなのはYENI RAKI、TEKIRDAG、EFE、IZMIR、BEYLERBEYI等、様々なメーカーのラクが売られています。
トルコに行った際はせっかくですので、是非トルコのお酒「ラク」を楽しんでみて下さい。
トルコ旅行でおすすめのお土産ランキングBEST25!雑貨・お菓子・化粧品
ラクはブドウからできており、アニスというセリ科のハーブ(トルコを含む東地中海地域原産。古くから薬草や香料として使われてきた)の種から香り付けされたアルコール40度以上の蒸留酒。
アニスの癖のある独特な香りが口の中に広がりほんのり甘みとコクを感じ、慣れると癖になるお酒です。
目次
ラクの飲み方
通常は水割りで飲みます。トルコでは細長い小さなラク用のグラスがあり、それが二つ用意されます。一つは水割りラク用、もう一つは冷水用のグラスです。水割りでも強いお酒ですので、水割りラクを飲みながら、さらに水も飲んで緩和します。
ラクの水割りの作り方は、まずグラスにラクを注ぎます。その際の分量ですが、TEK(テク)=1ショット(ラクグラスの4分の1)またはDUBLE(ドゥブレ)=ダブルショット(ラクグラスの約2分の1)で濃さを調節します。
TEKかDUBLEで入れたラクの上に冷水を注ぎ、最後に氷を1~2個入れれば美味しい水割りラクの完成です。
ラクのアルコール分量は、TEK(テク)で“グラスワイン1杯”または“ビール330ml”相当と言われておりますので、飲みすぎにはご注意を!
ラクの別名は「ライオンのミルク」
無色透明なラクですが、水と混ざると白濁し、その色からトルコでは「ASLAN SÜTÜ(アスラン・ストゥ)」=ライオンのミルクと呼ばれております。何故ライオンかというと、オスマン帝国時代にメイハーネ(トルコの居酒屋)に運ばれるラクの樽にライオンのマークが描かれていたことから、また飲むと段々とライオンのように強くなれるからだとも言われています。
ラクはメゼをはじめとする食事とともに楽しむ
ラクだけで飲むことはあまりなく、必ず食事とともに頂きます。ラク自体独特の香りがありますが、それがまたトルコの美味しいメゼ(前菜)や、魚料理、ケバブ料理と相性抜群で、ラクも食事もいくらでも行けてしまうから不思議です。
果物とも良く合い、夏場でしたらメロンとフェタチーズをあてに飲むのも定番です。
ラクは一人酒や昼間からただ飲むのではなく、太陽が沈む頃、美味しい前菜や魚料理・ケバブ料理を親しい友人や家族と囲み、ゆっくりと話を楽しみながら飲むのが粋です。
【トルコの前菜(メゼ)】世界三大料理のトルコ料理を徹底解説! | トルコ旅行・ツアー・観光なら、安心の『ターキッシュエア&トラベル』におまかせ!
ラクを飲むならトルコの居酒屋メイハーネ
ラクを美味しく飲める場所は、トルコの居酒屋「MEYHANE(メイハーネ)」です。食事と音楽とお酒が楽しめる場所を意味し、メイハーネでは主食と言うより、メゼ(前菜)をあてにお酒を飲むのが主流です。ここではビールは邪道ですので、注文するなら是非ラクを!元々メイハーネ文化はビザンツ帝国の時からオスマン帝国へと引き継がれ、オスマン帝国がイスタンブールを征服してからは、ガラタ地区にメイハーネが栄えたとの事です。
現在はベイオール地区やカラキョイ地区でメイハーネを楽しむことができます。
トルコ料理おすすめランキングBEST20!ケバブだけじゃない絶品グルメを紹介 | トルコ旅行専門の人気ナンバーワン旅行会社『ターキッシュエア&トラベル』
ラクの消費量
2017年の世界におけるラクの消費量は約3,600万リットル、そのうち3,100万リットル以上がトルコで消費されています。ラクはトルコの国民的お酒ではありますが、国内での消費量は減少傾向にあります。一方で、輸出量は大幅に増えており、トルコ以外でもラクが飲まれるようになっています。ちなみに、トルコにおける国民的ドリンクとしては、他にチャイ(紅茶)やアイラン(ヨーグルトドリンク)も挙げられます。
トルコの紅茶「トルコ チャイ」とは?独特の淹れ方や飲み方、歴史、効能を解説
トルコはヨーグルト発祥の国&消費量も世界一!料理や飲み物、ソースなど多彩
ラクの歴史
ラクに関してはどこが発祥か明確な記録は無く、5世紀の東ローマ帝国でラクに似たお酒が飲まれていた記録があるそうです。現在のラクは中近東で作られ始め、11世紀頃にトルコ人により伝えられ、特にイスラム教の一派ベクタシュ信者達によってアナトリアやイスタンブールからバルカン半島に渡る地域にもたらされたと言われています。アナトリアにおいて「RAKI(ラク)」の名で記載されている最古の文献には、14世紀にトルコ黒海地方のTRABZON(トラブゾン)周辺で製造・商業取引されていると書かれているとのこと。
ラクの商業取引に関して書かれた2番目に古い文献は、1520年のオスマン帝国の税法で、ここでもトラブゾンが、ラクが製造されてその他の地域に運搬されている地として記されているそうです。
オスマン帝国末期には非イスラム教徒達により、帝国領土内でラクが製造され始め、徐々に帝国全土で飲まれるお酒となりました。19世紀に入りオスマン帝国下で非イスラム教徒の人たちが経営していたメイハーネ(トルコの居酒屋)で飲まれる最もポピュラーなお酒となったとのことです。
なお、現在ではラクがオスマン帝国領内で作られたのが常識となっており、その名残として、元帝国領土であったギリシャでは「OUZO(ウゾ)」、バルカン半島でも「MASTIKA(マスティカ)」という名でラクは現在でも愛飲されています。
ちなみに、ラクはトルコ共和国初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルク(大変お酒が好きだったそうです)が愛飲していたことでも知られています。
ムスタファ・ケマル・アタテュルク|トルコ建国の父の歴史と偉業
ラク(RAKI)の意味・語源・由来は?
ラクは同じルーツを持つ中近東の蒸留酒「アラック(arak)」に由来するといわれています。このアラックの語源は諸説あります。- 蒸留器の原型となったアランビック(もとは古代錬金術において化学物質の蒸留のために作られたもの)。
- アラビア語で「汗」を意味する「アラク(araq)」(1滴1滴蒸留する製造プロセスから)
- もともとラザキという白ブドウ品種から作られたから
ラクの製造方法
ラクの原料はブドウです。地域によってはイチジクなどが使用されることもあります。ラクは、ブドウに酵母を加えてアルコール発酵させ、スマ(suma)と呼ばれるベースを作り、アニスで蒸留することで作られます。アニス以外のハーブやフレーバーを加えず、砂糖の含有量が少ないことが、その他のアニスリキュールとの違いです。
ちなみにトルコは世界的なブドウの名産地で、ワインの生産国としても有名です。ワインはトルコで古代から作られており、ラクはワイン作りの過程で派生したという説があります。
トルコワインは唯一無二の味わい!特徴や産地、品種、おすすめをご紹介
ラクのブランド・メーカー
ラクはオスマン帝国時代から国内の多くの場所で製造されていましたが、トルコ共和国が成立したのち、1944に国営のテケルによって独占的に製造されていました。しかし、2004年にテケルが民営化されてからは、さまざまなメーカーが多様な種類のラクを作っています。イエニラク
イエニラク(YENI RAKI)は500年の歴史を持つ、世界で最も生産されているブランドです。生のブドウと干しブドウ(レーズン)の両方を原料に使い、トルコ産の上質なアニスで蒸留されています。テキルダー
テキルダー(TEKİRDAĞ)のラクは新鮮な生のブドウ100%で作られます。アニスの含有量が多いため、水と混ぜると非常に白くなるのが特徴です。「TekirdağRakısıNo:10」のように、3回蒸留している銘柄もあります。ラクと似ているお酒
ラクのようなアニスなどのフレーバーを使った蒸留酒は紀元前から作られていたという非常に長い歴史を持ち、似たようなお酒が中近東・地中海・ヨーロッパ周辺で幅広く飲まれています。アブサン
アブサンは、フランスの国民的リキュールの一つです。アルコール度数は45~74%と強烈。アニスやフェンネルなどのハーブを使っていますが、アブサンをアブサンたらしめているのは何といってもニガヨモギ。その中毒性から一時製造禁止になった歴史があります。パスティス
パスティスはアブサン禁止後の代替品にもなったフランスのリキュールです。スターアニスやフェンネル、甘草などのハーブで香りづけされています。ペルノーやリカールが有名です。アニゼット
アニゼットもフランスの蒸留酒ですが、こちらはブドウをベースにアニスで蒸留したもの。アルコール度数25%と比較的軽く、甘みもあって飲みやすいのが特徴です。アラック
アラックと名のつく蒸留酒は中近東の幅広い地域で見られます。その地に根差した糖度の高い果実で作られ、さまざまなハーブや香辛料を加えるという基本的な作り方は同様です。例えば、レバノンではブドウ、インドネシアではココヤシ、スリランカではココナッツを主な原料としています。ウゾ(ウーゾ)
ウゾ(ウーゾ)はラクから派生したギリシャの蒸留酒です。味わいもラクによく似ています。原料には主にブドウを使い、アニスで再蒸留したのちにフェンネルと甘草を中心としたハーブを加えます。ウゾの原型となったツィプロやラキアは現在でも周辺地域で飲まれています。
サンブーカ
サンブーカはイタリアのアニスリキュールです。スターアニスやディルの他に、エルダーフラワーを使っているのが特徴で、甘苦い独特な味わいです。アルコール度数は約38%です。イタリアでは、エスプレッソにサンブーカを加えた「カフェ・コレット」という飲み方もあります。アグアルディエンテ
アグアルディエンテは、中南米などスペイン語圏で飲まれているリキュールです。当地で広く栽培されているサトウキビを原料にアニスで風味付けされています。アルコール度数は29%と比較的軽く、ショットはもちろん、フルーツジュースと混ぜて楽しまれます。ラクはトルコ旅行のお土産にもおすすめ
ラクはスーパーや町中にあるTEKEL(テケル)といういわゆるタバコ屋の様なお店で簡単に購入できます。大きさは350ml、500ml、700ml、1000mlとあり、昔から親しまれているメーカーはALTINBAŞ, KULUP RAKI等で、現在ポピュラーなのはYENI RAKI、TEKIRDAG、EFE、IZMIR、BEYLERBEYI等、様々なメーカーのラクが売られています。
トルコに行った際はせっかくですので、是非トルコのお酒「ラク」を楽しんでみて下さい。
トルコ旅行でおすすめのお土産ランキングBEST25!雑貨・お菓子・化粧品